製造業の専門展で見たロボット提案の今/名古屋ものづくりワールド2019
5つの専門展
ものづくりワールドは製造業の生産性向上やコストダウンなどに貢献することを目的に、リードエグジビションジャパン(東京都新宿区、石積忠夫社長)が主催する専門見本市。年に3回、東名阪でそれぞれ開かれる。
今回の名古屋ものづくりワールド2019では、M-テック名古屋を筆頭に「第4回名古屋設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)」「第3回名古屋工場設備・備品展(ファクテックス名古屋)」「第3回名古屋航空・宇宙機器開発展(エアロテック名古屋)」「第1回名古屋次世代3Dプリンタ展」の5つの製造業関連の専門展が催された。
会場の名古屋市港区のポートメッセなごやには、会期中3日間でのべ3万6000人が来場した。
5つの専門展の中で最も規模が大きかったM-テック名古屋では、機械要素技術展の名称の通り、工作機械や産業機械、ロボットなどの各種設備の要素部品や周辺機器が一堂に展示された。中でも自動化関連の提案が目立った。
ロボットハンドが脚光
ロボット関連では、ロボットハンドが脚光を浴びた。
ドイツのロボットハンドメーカー、シュンクの日本法人(東京都品川区、谷本昌信社長)は、協働ロボット用ハンド「Co-act(コ・アクト)グリッパー」を展示した。さらに、マシニングセンタと呼ばれる工作機械用のパレットチェンジシステムを応用した、わずか数十秒で協働ロボットを据え付けられるシステムも披露した。
「当社のパレットチェンジシステムを使えば、昼と夜で場所を変えてロボットを使うなど、柔軟な運用ができる」とマーケティング担当者は強調する。
CKDはロボットハンドの新製品「LSHM-HP2シリーズ」を出展した。つかんだ物体の長さを測定する機能が付いているため、つかんだ時に物体の姿勢のずれや不良品を検知できる。「正常値と物体をつかんだ時の実際の値を比較すれば、ロボットハンドの爪(ハンド先端の可動部)の状態も監視でき、予知保全にも生かせる」と担当者は語る。
この他、従来品と比較して耐久性を2倍に高めたロボットハンドの新製品「LSH-HP1シリーズ」も披露した。
受注から最短2日で納品
注目を集めた周辺機器はロボットハンドだけではない。
富山市に本社を置く産業用アルミフレームメーカーのエヌアイシ・オートテックは、自社の産業用アルミフレームで構築した小型ロボット専用のアルミ架台(ロボットを設置する台)を出展した。垂直多関節ロボット用と協働ロボット用の架台をそれぞれ展示し、来場者の目を引いた。
同社では「ALFA KiT(アルファ・キット)」の名称で、さまざまなアルミ架台の標準品をラインアップする。短納期対応が強みで、サイズが決まっている規格品であれば、受注から最短2日間で納品できる。
また、アルミフレームには図面が印刷されており、部品の取り付け位置がすぐに分かるのも大きな特徴。組み立てが簡単で、ロボットシステム構築の効率化にも貢献する。