[特集 国際ロボット展vol.14]工作機械や測定機器メーカーも自動化システムを積極提案!
「意見を広く集めたい」と、国際ロボット展に初出展
国際ロボット展には、ロボットやその周辺機器のメーカーだけでなく、工作機械や測定機器のメーカーも出展した。自社製品を産業用ロボットと組み合わせ、自動化システムとして顧客に提案した。
工作機械メーカーのDMG森精機は、国際ロボット展に初出展した。ブース内に工作機械「NTX1000」を展示。無人搬送車(AGV)と安川電機の協働ロボットを組み合わせた「WH-AGV5」が、被加工材の搬送など、加工の前後工程の作業を担った。
ブース内には、加工後に端面を整える「バリ取り」用の装置と、切削加工時に付着した切りくずや加工液を空気で吹き飛ばす洗浄用装置を設けた。
WH-AGV5で被加工材を搬送し、搭載するロボットアームが各装置へ被加工材を出し入れする。ロボットアームの先には、複眼のビジョンセンターを搭載する。AGVが決まった位置に停止する際の精度は±30mmで、事前にプログラムした停止位置とは多少のずれが生じる。そのずれをビジョンセンターで把握し、ロボットが自身のプログラムを補正するため、被加工材を問題なく各装置に取り付けられる。
展示担当者は国際ロボット展への出展意図について「国際ロボット展は自動化の専門展。金属加工業以外の来場者にもわが社の展示を見てもらい、幅広い意見を聞きたい」と話す。
スギノマシンは防水性をアピール
ロボットを測定の固定具に
測定機器メーカーのミツトヨ(川崎市高津区、沼田恵明社長)は、金属加工現場での計測工程を模した展示をした。ロボットで測定対象をつかんだまま、接触式の測定機「MiSTAR 555」で測定する。
一般的にこうした工程では、対象物に応じた専用の固定具を使うが、対象物ごとに異なる固定具の製作が現場の負担となっていた。展示した方法で精度の高い計測ができれば、固定具が不要になる。
今回展ではロボットのモーター振動による影響をなくすために、測定機側に設けたハンドでロボットを固定して測定した。担当者は「モーターの振動の影響を軽減できる方法を考え、計測機側のハンドをいずれはなくしたい」と今後の開発にも意欲を見せる。