ハンドに画像処理用ソフトも! ロボ関連の製品群拡充【後編】/CKD
最短20分で画像処理システム
ファシリアはビジュアルプログラミング方式を採用。各種アイコンのドラッグ&ドロップや簡単な設定入力などの3つのステップで、誰でも簡単に画像処理システムを構築できるのが特徴だ。
画像処理と聞くと「難しい」「複雑」「高価」とのイメージを抱く読者も多いだろう。
これに対しファシリアは、最短20分で画像処理システムを構築できる。市販のウェブカメラや照明などと組み合わるだけで、製品検査やバーコードの読み取りができる。ロボットやプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC、機械の制御に使われる機器)などの外部の設備との連携も簡単だ。
メーカー希望小売価格が9万8000円と安価なのもポイント。販売促進部の島竜一郎部長は「現場で気軽に使ってほしいため、製造現場の課長クラスの決裁権で買える価格に抑えた」と狙いを説明する。
表紙に仕掛けが?
同社は空圧機器や流体制御機器、自動機械など、いわゆる「ハードウエア」の製品を長年にわたり販売し続けてきた。そのため、ファシリアのような無形商材を販売するノウハウが社内に十分に蓄積されていないのが大きな課題だった。
そこで、販売促進部商品拡販グループでファシリアの企画を担当する嶋尾恵理子さんらを中心に、ファシリアを効果的にPRするためのユニークなカタログを作成した。
かわいらしいアヒルやアライグマの絵に真っ先に目が行くが、実はこのカタログの表紙には仕掛けがある。表紙をカメラで撮影し、ファシリアで画像処理をすると、アヒルの数の計測や色違いのアヒルの検知、2次元バーコード(QRコード)の読み取りができる。カタログを通じて、ファシリアの特徴や性能などを顧客に体感してもらう狙いだ。
ファシリアの主なターゲット層は、これまで人手に頼って目視検査をしてきた中小企業の製造現場など。島部長は「わが社の組み立て工場でも人海戦術で目視検査をしている工程が多い。ファシリアを使えば、わが社を含め多くの企業が頭を抱える目視検査の工程を簡単に、そして安価で自動化できる」と期待を寄せる。
――終わり
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
※この記事の再編集版は、設備財や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の専門誌「月刊生産財マーケティング」2020年9月号でもお読みいただけます。