日本法人のファンを作る【前編】/ABB中島秀一郎社長
コロナ禍で伸びる分野も
――今回のコロナ禍でロボット業界も影響を受けていますが、ABBの状況は?
まずロボット業界全体について言うと、中国の需要が回復傾向にあり、統計などを見ても「思ったほど落ちていない」というのが正直な印象です。影響の大きさは顧客産業ごとにまちまちです。自動車向けはかなり落ち込んでおり、依存しているメーカーは厳しい状況でしょう。一方、ABBにとっては自動車も主要顧客の一つですが、電機や物流、三品(食品・化粧品・医療品)産業など、幅広い分野で展開しています。物流やヘルスケア、三品産業などはコロナの影響でむしろ好調です。また、米国などの大国は落ちていますが、東欧や東南アジア、中近東、アフリカの中小国ではまだまだ需要が伸びています。ABBは分野、地域ともにバランスよく展開しているので、総合的に見ればそれほどの落ち込みはありません。
――日本市場ではいかがでしょうか?
2020年前半はコロナ禍以前に引き合いがあった案件をこなしていたので、悪くない状況でしたが、3月以降は引き合いが減り、受注も減少しました。しかし、8月で底を打ったと感じています。回復のペースは分かりませんが、今後は上がっていくと分析しています。