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2021.01.26

スカラロボットの新製品「i4シリーズ」を発売/オムロン

オムロンは1月22日、可搬質量やリーチ長、機能性などを向上させたスカラロボットの「i4シリーズ」を発売した。i4シリーズはハイエンド機種の「i4H」とエントリー機種の「i4L」の2シリーズをラインアップ。従来よりも幅広い作業ができるスカラロボットとして提案する。

高機能でコンパクトなスカラロボット

 オムロンが発売したスカラロボットのi4シリーズのうち、i4Hの可搬質量は15kgで、リーチ長は650、750、850mmの3タイプ。先端の垂直軸ストロークは、標準の210mmに加えて410mmのロングクイル仕様もある。
 i4Lは可搬質量5kgで、リーチ長は350、450、550mm。リーチ長550mmタイプに限り、垂直軸350mmのロングクイル仕様がある。標準は180mmだ。

 i4シリーズは昨年7月に発売した統合コントローラーと組み合わせて使え、ハンドや吸着パッドなどのエンドエフェクタ―や、その他の周辺機器をまとめて統合制御できる。周辺機器メーカーが市販する製品だけでなくロボットユーザー自身が独自に開発した機器まで、アダプターを使って接続することで幅広く対応する。コントローラーやケーブル類をロボット本体に内蔵することで、設置面積を小さくし、配線や設置作業も容易にできる。

  • i4Hシリーズ

  • i4Lシリーズ

スカラロボットで多様な作業を

ディスプレーにはグリース残量などが表示される

 スカラロボットは垂直多関節ロボットに比べて設置や運用しやすいと言われるが、可搬質量やリーチ長がネックとなり、担える作業内容が限定的だった。
 i4Hは可搬質量やリーチ長を拡大するとともに全般的に性能を向上。幅広い作業を担えるようにした。また、i4Lシリーズは従来機種と同等のスペックながら機能性を向上させた。ロボットの稼働時間から適切なメンテナンス時期を割り出し、本体のディスプレーやLEDライトで表示する予知保全機能も搭載する。

 今年4月にはクリーンルーム向けや食品工場向けなどのラインアップを追加する予定。新型コロナウイルスの感染拡大により幅広い産業で設備投資の需要が落ち込んでいることから、拡販に努めつつ販売目標は定めない。

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