社名変更の候補は「コンバム」一択の決意/コンバム(旧妙徳)伊勢幸治社長
真空発生器が大ヒット
「ロボットハンドのコンバム」目指す
――新興市場とは、具体的にどの業界ですか。
最も勢いがあるのは産業用ロボット関連です。わが社全体の売上高に占める割合は1割ほどですが、新製品の割合はロボット向けが約半数を占めるほど注力しています。圧縮空気を使わず電力のみで稼働する「SGEシリーズ」や、ハンド骨格部品や吸着パッドを自身で組み立てて思いのままに形作れる「ロボットハンドキッド」など、簡単に扱える製品も発売しました。ラインアップの増強を進め、近い将来には「吸着ロボットハンドのコンバム」とのイメージをロボット業界の顧客に持ってもらえるよう、取り組みます。
――他に社名の候補はありましたか。
いえ、変更するならば「コンバム」の一択でした。変更自体は、古くから検討してきました。機運が高まった時期も過去に2度あります。1度目は株式上場をした2004年。2度目は私が社長に就いた15年です。しかし、「妙徳」の名前は元々、私の祖父が創業時に檀家としてお世話になっていたお寺の名前を、ありがたくいただいたもの。「変えてしまってよいものか」との葛藤もあり、社名変更に踏み切れませんでした。ですが、もし社名を変えるならば、創業家の私以外は決断しにくい。ロボット市場への進出拡大やブランド50周年のタイミングが重なり、社名を変える決意をしました。