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2022.03.11

[国際ロボット展 特別リポートvol.3]充実する協働型のアプリケーション/UR、ヤマハ発動機、日栄機工

特別リポートのVol.2ではファナックの協働ロボットを紹介したが、「2022国際ロボット展(iREX2022)」で協働ロボットを展示の目玉に据えたのは同社だけではない。協働ロボット最大手のユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)はもちろん、ヤマハ発動機や日栄機工(愛知県豊田市、川元敦史社長)なども協働ロボットの提案に力を入れる。

アプリケーションを具体的な形で/ユニバーサルロボット

 デンマークに本社を置く協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボットは計11種類のデモシステムを展示する。
 「わが社が特に重視する協働ロボットのアプリケーション(使い方)は工作機械に部品を供給する『マシンテンディング』、段ボール箱などを積み上げる『パレタイジング』、そして『溶接』の3つ」と西部慎一アプリケーション・エンジニアリング・マネジャーは話す。 小間ではブラザー工業製の小型工作機械への部品供給のデモや、カナダに本社を置くロボットハンドメーカーのRobotiq(ロボティーク)製のパレタイジングシステムを使ったデモ、板金機械商社のファブエース(横浜市都筑区、浅野慎一郎社長)が構築したTIG(ティグ)溶接のデモを通じ、これら3つの重要なアプリケーションを具体的な形で来場者に訴求する。

 この他、独自の公認周辺機器「UR+」に新たに認定されたエスティック(大阪府守口市、鈴木弘英社長)製のねじ締めツールによる高トルクのねじ締めのデモなども初披露し、来場者の関心を集めた。

 

  • ユニバーサルロボットはブラザー工業の小型工作機械を使ってマシンテンディングのデモを展示

  • 初披露の高トルクねじ締めのデモ。わずか数行のプログラムで、多数のねじを締められる

7軸のメリット生かす/ヤマハ発動機

ヤマハ発動機は7軸ロボットの特徴を生かし加工機との組み合わせなど提案

 ヤマハ発動機は、早稲田大学発のベンチャー企業の東京ロボティクス(東京都新宿区、坂本義弘社長)と共同開発する協働ロボットを目玉の一つとして展示した。1300mmの長いアームを、7軸制御を生かし、加工機への被加工材の投入などを提案した。協働ロボットを手押し台車に搭載し、必要な時だけ機械前に設置する可動式の自動化システムだ。「狭い空間でも自在に動けるのは、軸数の多い7軸ロボットならでは」(ロボティクス事業部営業企画グループ)。
 
 7軸全てにトルクセンサーを搭載することで高い安全性を確保し、柔軟な力制御もできる。また、安全が確保された環境では素早い動作もできる。同製品は年内に販売予定だ。

ドイツのAIロボットを披露/日栄機工

日栄機工が販売するAI機能搭載のネウラロボティクス製協働ロボット

 日栄機工(愛知県豊田市、川元敦史社長)は、同社が正規代理店を務めるドイツのロボットベンチャー企業NEURA ROBOTICS(ニウラロボティクス)の協働ロボットを展示した。人工知能(AI)機能を搭載した協働ロボットで、会場では樹脂のパイプ部品のばら積みピッキングを披露した。「『この箱の中身を、こっちの箱へ』、それだけの指示でばら積みピッキングができる。高い機能が評価され、非常にたくさんの引き合いをいただいている」と川元社長は話す。

 3次元(D)ビジョンセンサーや周囲の人などを検知する安全センサーをオール・イン・ワンで内蔵しており、「システムインテグレーションの費用まで考えると、このロボットの方が断然コストが安い」と川元社長は言う。

(ロボットダイジェスト編集部 曽根勇也、桑崎厚史)


[2022国際ロボット展(iREX2022)特別リポート]


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国際ロボット展(iREX2022)直前特集 vol.7~vol.10はこちらから
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