[国際ロボット展 特別リポートvol.3]充実する協働型のアプリケーション/UR、ヤマハ発動機、日栄機工
特別リポートのVol.2ではファナックの協働ロボットを紹介したが、「2022国際ロボット展(iREX2022)」で協働ロボットを展示の目玉に据えたのは同社だけではない。協働ロボット最大手のユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)はもちろん、ヤマハ発動機や日栄機工(愛知県豊田市、川元敦史社長)なども協働ロボットの提案に力を入れる。
アプリケーションを具体的な形で/ユニバーサルロボット
デンマークに本社を置く協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボットは計11種類のデモシステムを展示する。
「わが社が特に重視する協働ロボットのアプリケーション(使い方)は工作機械に部品を供給する『マシンテンディング』、段ボール箱などを積み上げる『パレタイジング』、そして『溶接』の3つ」と西部慎一アプリケーション・エンジニアリング・マネジャーは話す。 小間ではブラザー工業製の小型工作機械への部品供給のデモや、カナダに本社を置くロボットハンドメーカーのRobotiq(ロボティーク)製のパレタイジングシステムを使ったデモ、板金機械商社のファブエース(横浜市都筑区、浅野慎一郎社長)が構築したTIG(ティグ)溶接のデモを通じ、これら3つの重要なアプリケーションを具体的な形で来場者に訴求する。
この他、独自の公認周辺機器「UR+」に新たに認定されたエスティック(大阪府守口市、鈴木弘英社長)製のねじ締めツールによる高トルクのねじ締めのデモなども初披露し、来場者の関心を集めた。
7軸のメリット生かす/ヤマハ発動機
ドイツのAIロボットを披露/日栄機工
日栄機工(愛知県豊田市、川元敦史社長)は、同社が正規代理店を務めるドイツのロボットベンチャー企業NEURA ROBOTICS(ニウラロボティクス)の協働ロボットを展示した。人工知能(AI)機能を搭載した協働ロボットで、会場では樹脂のパイプ部品のばら積みピッキングを披露した。「『この箱の中身を、こっちの箱へ』、それだけの指示でばら積みピッキングができる。高い機能が評価され、非常にたくさんの引き合いをいただいている」と川元社長は話す。
3次元(D)ビジョンセンサーや周囲の人などを検知する安全センサーをオール・イン・ワンで内蔵しており、「システムインテグレーションの費用まで考えると、このロボットの方が断然コストが安い」と川元社長は言う。
(ロボットダイジェスト編集部 曽根勇也、桑崎厚史)
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