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2021.12.17

イベント

参考出展のフォークロボに注目集まる/シンテックホズミ

搬送ロボットメーカーのシンテックホズミ(愛知県みよし市、加藤久視社長)は2021年12月7日~10日の4日間、本社ショールームでプライベートショー(PS)を開催した。4日間で約400人が来場した。参考出展のフォークロボ「NFF-600」や、最新のプラットフォームシステムなどに注目が集まった。

パレットの移載作業を自動化

PSで披露したロジスティクスエリア

 シンテックホズミはトヨタ自動車の子会社で、自動車業界向けの生産設備の設計製作に加え、搬送ロボットやサービスロボットの開発、製造、販売などを担う。
 PSを開くのは、今年6月に続いて今回が2度目。本社ショールームを①マニュファクチャリング②ロジスティクス③自動車ボディーの搬送を自動化する「ネクスト・ボディー・ライン」④ホテルロボティクス⑤デジタル・トランスフォーメーション(DX、デジタル技術で事業を革新すること)化を提案する「UXルーム」――の5つのエリアに分け、自律走行型の搬送ロボット「NEXT(ネクスト)シリーズ」やサービスロボット「AISLE(アイル)」などを展示した。

 PSに先立ち、前日の12月6日には報道関係者向けの発表会が開かれた。馬場順取締役は「わが社は16年にわたって搬送ロボットを開発し続け、顧客にトータルソリューションを提供できる技術や製品をようやくそろえられた。今回のPSでは近日中にリリースする製品も一足早く見学いただき、皆さまの意見や要望を受けてより良い製品へとブラッシュアップしたい」と話した。

  • 参考出展のフォークロボ「NFF-600」

  • 搬送ロボットと協働ロボットと組み合わせた自動化システム

 目玉は、②のロジスティクスエリアに参考出展されたフォークロボ「NFF-600」。カメラとセンサーでパレット(荷役台)の差し込み口を認識し、同社製の搬送ロボットにパレットを移載する。来年春ごろに発売するという。
 搬送ロボットがあれば倉庫での搬送作業や製造現場の工程間物流を自動化できるが、パレットを搬送ロボットに移載する作業はこれまで人が担うことが多かった。NFF-600はこうした移載作業を自動化でき、フォークリフトのオペレーター不足などに対応する。

 また、①のマニュファクチャリングエリアや③のネクスト・ボディー・ライン・エリアには、1t可搬の自律走行型の搬送ロボット「NN-1100」と協働ロボットを組み合わせた自動化システムも参考出展した。ネクストシリーズなどと組み合わせて使い、部品のピッキング作業から工程間物流まで自動化する狙いだ。

生産量に合わせて行き先変える

オペレーションプラットフォームで複数の搬送ロボットを一元管理

 同社は最近、搬送ロボットを中心としたスマートファクトリー(次世代工場)化の提案に力を注ぐ。PSでは搬送ロボットやサービスロボットだけではなく、倉庫や製造現場のスマート化を実現するプラットフォーム(基盤)システム「Operation Platform(オペレーションプラットフォーム)」も紹介した。

 搬送ロボットなどの稼働状況に加え、倉庫や製造現場の荷量や在庫量の変化を可視化してリアルタイムで一元管理でき、生産量や需要の変化に合わせて複数の搬送ロボットやサービスロボットの行き先を柔軟に変更できるのが特徴だ。「リーン(無駄のない)で生産性の高いラインを実現できる」と馬場取締役は語る。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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