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2024.08.07

連載

[SI基礎講座vol.12] 品質管理②

ロボットのシステムインテグレーション(SI)に関する基礎知識を紹介する本連載企画。前回は品質やその管理方法について解説したが、今回の「品質管理②」では品質コストの考え方や「QC 7つ道具」について解説する。

〔今回の講師:中小機構 経営支援アドバイザー 加藤栄作先生〕


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【今回のポイント!】
〇問題への対応が後工程になるほど費用がかさむ
〇品質を上げて品質コストを下げる
〇「QC 7つ道具」を活用しよう

品質コストは3種類

品質コストの考え方(SI基礎講座、スライド資料より)

 品質コストについて学んでいきましょう。品質に問題があった場合、その対応が後工程になるほど、費用がかさみます。つまり、前の段階で処理すればコストを小さく抑えることができます。
 出荷した後に問題が発覚したら、自動車ならリコールですよね。あれもかなりの費用がかかります。できるだけ前倒し・フロントローディングで問題をつぶし込むことが大切です。

 資料には「品質コストの体系」も記載しています。品質コストは大きく3つに分けられます。「予防コスト」「評価コスト」「失敗コスト」です。
 予防コストは品質改善や教育などで、増やしていきたいコストです。評価コストは、検査などは完全になくすことはできませんが、効率化を図って圧縮していきたい部分です。失敗コストは、不良材料や手直しなど、限りなくゼロにしていきたいコストです。

品質コストの考え方②(SI基礎講座、スライド資料より)

 品質コストは基本的には経営者が自由に決められます。どれだけお金をかけて、どこまで失敗コストを減らすのか。右のグラフのように、予防コストと評価コストを増やし、失敗コストをできるだけ下げていきます。
 簡単に言えば、「品質を上げて品質コスト下げる」ということです。

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