[気鋭のロボット研究者vol.4]AIで物の形から使い方を推定【後編】/中京大学橋本学教授
一般家庭で求められる視覚システムも
特定物体認識と一般物体認識
生産ラインと一般家庭では、ロボットの“目”に求められる技術にどのような違いがあるのか。
あらかじめ決められた物体が流れる生産ラインでは、「どんな物が流れてきたか」の認識は不要で、「物体の位置や姿勢」だけをロボットが把握できればいい。つまり、ロボットの視覚システムに求められるのは、物体がどこにどう置いてあるかを正確に認識すること。「われわれの業界用語で、これを『特定物体認識』と呼ぶ」と橋本教授は話す。
一方、一般家庭は生産ラインとは違い、どんな物がどこに置かれているかが全く分からない。そのため、ロボットにはまず「これはコップ」「これはスプーン」などと、目の前に置かれた物体の名前を正しく認識することが要求される。前述の特定物体認識に対し、これは「一般物体認識」と言う。