スピンドル発売でロボ切削に本腰/KEBAジャパン
複合材に容易に穴開け
KEBAジャパンが昨年11月に国内販売したレビスピンは、工作機械や産業用ロボットを使った切削加工向けのスピンドル。長さ492mm、最大直径175mmの大きさで、毎分1万2000回転の標準品と同1万8000回転のオプション品の2タイプを用意した。
回転部を支える軸受けは、磁気式。回転部を非接触で支持しており、数μm単位で6方向に動かせる。回転軸を上下に振動させ、切削工具の加工対象物への食いつきと切りくずの排出性を高められる。
また、スピンドル単体で回転軸を傾斜させられるため、穴開けと穴の縁にできる微小な凹凸を取る「バリ取り」などを一工程で可能にした。
加工条件を細かく変更しやすいのも特徴。航空機部品によく使われる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とチタンの複合材のように、複数の素材を重ねた異種接合材にも簡単に穴を開けられる。
Gコードをロボで使える
スピンドルを開発したのは、2018年にKEBAが買収したドイツのサーボモーターメーカーのLTIモーション。KEBAが長年培った産業用ロボットの動作制御の技術と、LTIモーションのスピンドル関連の技術を合わせることで、より高精度な加工を目指す。
ロボットの要素部品メーカーとも共同研究を進めており、補正技術なども駆使して、現在は±0.3mm程度の切削加工時の寸法精度を±0.01mmまで高める目標を立てる。
また、工作機械の動作制御に使うGコードを使えるロボット用の制御機器もあり、工作機械ユーザーは稼働プログラムをそのまま転用できる。19年12月に開かれた産業用ロボットの展示会「国際ロボット展(iREX2019)」で参考出展し、手応えを感じた。