[気鋭のロボット研究者vol.29]突発的な接触を柔軟に「いなす」【前編】/広島大学 村松久圭 助教
外部からの衝撃を判断する
協働ロボットは人や物との衝突など突発的なアクシデントが発生すると、危険を回避するために一時停止してしまい、作業効率を大きく落としてしまうのがネックだった。
村松助教は、この課題を解決するための方法として「周期/非周期分離制御」を研究する。ロボットの運動制御の場合は、あらかじめプログラミングされた動作を「周期」、人との接触など外部からの突発的なアクシデントを「非周期」と定義する。人とロボットとの接触の感知にセンサーは使わない。「エンコーダーの情報とモーターに与えているトルクの増減から、突発的にかかった力を抽出するアルゴリズムで、外部からの衝撃を判断する」と村松助教は説明する。
村松久圭(むらまつ・ひさよし)
2020年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。同年4月日本学術振興会特別研究員。同年7月から現職。日本機械学会会員、日本ロボット学会会員、計測自動制御学会会員、電気学会会員。趣味は映画観賞など。休日にはしまなみ海道をサイクリングすることも。千葉県出身の29歳。