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2024.09.02

連載

[SI基礎講座vol.14] 保有してほしい能力②

ロボットのシステムインテグレーション(SI)に関する基礎知識を紹介する本連載企画。今回は、ロボットを導入する企業の担当者・生産技術者や、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に「保有してほしい能力」の2回目。前回に引き続き、ロボット導入担当者やSIerに必要となる「問題点顕在化能力」について解説していく。

〔今回の講師:中小機構 経営支援アドバイザー 加藤栄作先生〕


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【今回のポイント!】
〇「IE7つ道具」を活用しよう
〇ロボット導入の前にボトルネック工程を明確化
〇仕掛かり滞留や手待ち、特定の作業者しかできない作業に着目

7つの視点で分析

問題点を顕在化させ、分析する能力①(SI基礎講座、スライド資料より)

 前回に引き続き、「問題点を顕在化させる能力」について学んでいきましょう。

 問題の顕在化や分析に役立つものに、IE(インダストリアルエンジニアリング)があります。「IE分析」ともいわれますが、「IE 7つ道具」と呼ばれるものがあります。
 「工程分析」「稼働分析」「動作分析」「時間分析」「物流分析」「レイアウト分析」「事務(工程)改善」の7つです。さまざまな作業を分析するための手法です。

問題点を顕在化させ、分析する能力②(SI基礎講座、スライド資料より)

 1つ目の「工程分析」は、生産工程や作業方法を、加工・運搬・検査・停滞の4つに区分し、問題のある所を改善するための手法です。
 2つ目の「稼働分析」は設備や人の稼働状況から「付加価値作業」「非付加価値作業」「ムダ」に分類し、改善するものです。営業担当者の拡販活動などいろいろなものに応用できますから、積極的に使ってもらいたいです。
 3つ目の「動作分析」は、作業の動作を細かく分析するものです。最近では、動画を撮影して、その動画から動作分析ができて作業手順書も作れるようなソフトウエアが販売されています。
 4つ目の「時間分析」は、作業中の時間を細かく計測し、時間の面からばらつきがないかなど見ていく手法です。

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