脚光浴びる自動化提案、ドイツで見た最新のソリューション/AMB2024
ローカルなビジネス展
今回展の目玉は自動化ソリューションだった。ドイツを中心とした欧州各国では人手不足が深刻な上、人件費も高騰しており、製造現場の自動化ニーズが年を追うごとに高まっている。そのため会場では、工作機械とロボットなどを組み合わせた自動化システムの最新提案が脚光を浴びた。主要な工作機械メーカーなら最低一つは何らかの自動化システムを展示していたと言っても過言ではない。
また、生産ラインを一括で請け負うラインビルダーや、エンジニアリング力が高いシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が多いのも欧州ならではの特徴だ。今回展には工作機械メーカーだけではなく現地のSIerも多数出展し、工作機械へのワーク(被加工物)着脱を自動化する「マシンテンディング」に特化したシステムの提案に力を注いだ。
AMRでフレキシブルな自動化
大手工作機械メーカーのDMG森精機は世界初披露の5機種を含む全17機種を出展した。「マシニングトランスフォーメーション(MX)」と呼ばれる、工程集約、自動化、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)の4つの要素から成る一連のコンセプトをブース全体で大々的にPRした。ブース内にはMXの構成要素別に専用エリアを設けており、自動化エリアでは750kg可搬の自律走行型ロボット(AMR)「PH-AMR 750」を活用したフレキシブルなソリューションを展示。2台の工作機械の間をPH-AMR 750が行き来し、パレット(ワークを搭載する台)の供給や搬送を自動化するデモを実施した。
ドイツの大手工作機械メーカーのヘラーは横形5軸マシニングセンタ「HF 3500」とロボットを組み合わせたシステムを披露し、ワーク着脱の自動化を提案した。トーステン・シュミット最高経営責任者(CEO)は「わが社が出荷する工作機械の約7割には、ロボットなどの自動化機器に対応したインターフェース(接点)が搭載されている。そのため、既存の工作機械にも自動化機器を後付けで簡単に追加できるのが特徴」と語る。