過去最多400万台超のロボットが世界で稼働/国際ロボット連盟
中国が依然最大市場
中国は依然として世界最大の市場で、23年は全体の51%にあたる27万6288台の産業用ロボットが新規導入された。これは過去最高を記録した22年の29万144台に次ぐ高水準で、中国国内市場における自国メーカーのシェアも47%に拡大した。24年後半にはさらなる需要拡大が見込まれ、年末までには市場の安定化が期待される。27年までに年間平均約5~10%の成長が予想されるという。
日本の新規導入台数は前年比9%減の4万6106台で、中国に次ぐ世界第2位となった。韓国は同1%減の3万1444台で、世界第4位とそれぞれ順位を維持した。インドも急成長を見せており、同59%増の8510台で過去最高を記録。特に自動車向けが同139%増の3551台と大きく伸びた。
欧州は過去最高、米州は高水準を維持
欧州は、同9%増で過去最高の9万2390台を記録した。特に自動車向けが好調で、スペイン(同31%増、5053台)や英国(同51%増、3830台)、スロバキア(同48%増、2174台)などの小規模市場での投資が欧州全体の成長を後押しした。欧州最大市場のドイツは、同7%増の2万8633台で、世界第5位の市場を維持した。
米州は、同1%減の5万5389台で、3年連続で5万台超える高水準を維持した。米州全体の68%を占める米国は、同5%減で3万7587台。自動車向けが減少した一方、金属加工や一般機械、電気電子向けなどは安定的に推移した。
成長が止まる兆しはなし
IFRは今後の産業用ロボット市場の成長見通しも発表した。地政学的リスクが依然として不確実要因であり、各国が重要産業の国内生産能力を強化する中、自動化は先進国でもコスト効率を維持した生産を可能にする手段だと指摘した。24年に経済低迷が底を打ち、新規導入台数は54万1000台を見込む。長期的な成長トレンドが近年中に終わる兆候はなく、25年以降、27年までは成長が加速すると予想する。
日本市場については、新たな自動車パワートレインへの対応に向けた再編の最中にあると指摘。製品ポートフォリオの多様化に対応する生産技術が求められているとした上で、24 年のロボット需要は横ばい、25年以降は一桁台半ばから後半の成長率になると予想した。