大盛況の3日間、計4万6000人以上が来場/ロボットテクノロジージャパン2024
自律性を備えた次世代のロボットシステム
まだ自動化されていない工程を自動化する、そのために重要になるのが「自律化」の技術だろう。ロボットが自ら状況判断して最適な動作ができれば、これまで自動化が難しかった少量多品種生産でもロボットが活用できる。
ロボットが自律的に動く「自律分散型のものづくり」を提案したのが安川電機だ。電気自動車(EV)のバッテリーの組み立てをイメージしたデモシステムを展示した。ロボットが自ら判断してバッテリーモジュールやカバーを組み付け、3種類のバッテリーを生産する。「今回展では、4台でシステムを構築した。こうした自律型のロボットシステムを小規模にも導入できることをアピールしたい。『これならうちでも使えそう』と感じてもらえれば」とロボット事業部の池内正明課長補佐は言う。
その他、新型の産業用ロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)シリーズ」も展示した。こちらも自律的に動作可能な、次世代型のロボットだ。
ロボットによる加工がトレンドに
会場内で最大級のブースを構えた企業の1社であるファナックは、多数のロボットシステムを展示した。協働ロボットを数多く展示して幅広いアプリケーション(使い方)を提案したが、協働型ではない一般的な産業用ロボットの展示でも見どころは多かった。
例えばロボットによる切削加工システムだ。ロボットアームの先端に回転工具を搭載し、EVバッテリーケースを模したアルミ部品をロボットで切削加工する。また、ロボットでレーザー加工するシステムも展示した。レーザーとロボットを同期制御し、精密な加工を実現する。
「ファナックのロボットシステムなら、高い精度で加工ができる」とロボット研究開発統括本部長の安倍健一郎常務執行役員は話す。