遠隔操作技術の活用セミナーを開催/さがみはら産業創造センター
相模原市の産業振興に取り組むさがみはら産業創造センター(略称=SIC、相模原市緑区、橋元雅敏社長)が運営するさがみはらロボット導入支援センターは3月22日、「VSLさがみはら活動報告会」と称したセミナーを開催した。
VSLとは「Virtual Smart Laboratory(バーチャル・スマート・ラボラトリー)」の略で、今年2月から同センターが始めた、主に工場内でのロボットによる遠隔監視・遠隔操作技術の活用を後押しする取り組みだ。
今回のセミナーではVSLさがみはらの取り組みに関してロボット導入支援センターの川下敬之所長が説明したほか、ugo(ユーゴー、東京都千代田区、松井健最高経営責任者<CEO>)が開発したロボット「ugo」のデモンストレーションを披露した。
ugoは2本のアームと各種センサーやカメラを備えた移動式のロボットだ。これまではビル内での巡回監視に活用されてきたが、今回のVSLさがみはらの取り組みでは工場内での活用を目指した実証実験を実施した。
アームを使った作業は精度や可搬質量が製造業向けには十分でないことから、まだ実用段階ではないが、自走式である利点とロボットに搭載した各種センサーを生かし、工場内の始業前の点検作業などに活用できると松井CEOは話す。
また遠隔地にいる技術者がugoを介して工場内の作業員とコミュニケーションを取ることで、現場での困り事にも迅速に対応できる。
こうした取り組みから中小企業での遠隔操作ロボットの活用の可能性を探ることがVSLさがみはらの狙いの一つだ。
松井CEOは「作業を遠隔化することで、現場業務をシステム化、データ化できる。データ化できることは自動化できるため、遠隔化が自動化のきっかけとなり、業務の最適化にもつながる」と話した。
(ロボットダイジェスト編集部 久島知希)