プラスチック専門展で省人化のニーズに応える提案/名古屋プラスチック工業展2024
1万7000人が来場
深刻化する人手不足の解消に
射出成形はプラスチックの代表的な成形方法で、加熱して溶かした材料を金型に注入し、冷やし固めて製品を作る。昔は、射出成形機に装着した金型から作業者が直接成形品を取り出しており、けがのリスクもあった。現在は安全面やサイクルタイムの短縮などの面からも、射出成形機に取り出しロボットを搭載するのが一般的だ。
今回展の会場では射出成形機メーカーや取り出しロボットメーカーが大きなブースを構えた。深刻な人手不足を背景とした省人化のニーズに応える各社の提案に、来場者は関心を寄せた。
また、物流分野向けのロボットパレタイザー「PXT-1220A」も紹介。製造現場で使用される樹脂製の「通い箱」のパレタイジング(積み付け)のデモを披露した。天井が低い環境にも設置しやすい。パソコン(PC)上で簡単に積み付けパターンの設定ができるソフトウエアも標準装備されている他、ロボットハンドなどを設計する専門部署「アインツ事業部」で一品一様のハンドを製造できるのも強みだ。
営業本部営業部営業企画室の小向新子室長は「わが社は『導入のしやすさ』、『運用のしやすさ』をモットーに製品開発をしている。そのため、単なる人手不足の解消だけでなく、熟練者がいない製造現場の自動化にも貢献できる」と力を込める。
取り出しロボットや射出成形機の周辺機器を開発、製造するハーモ(長野県南箕輪村、浜秀明社長)は取り出しロボットや周辺機器の稼働状況を一元的に管理するシステム「トータルリンク」を紹介した。取り出しロボットと同社製の周辺機器をネットワークでつなぐことで、稼働状況の監視や周辺機器の一括操作などができる。金型の段取り時間の短縮やヒューマンエラーを防ぐ13の機能を備える。
営業推進部営業推進課の河口尚久課長は「前回展が開催された3年前と比べると、人手不足に伴う省人化のニーズは一層高まっている。今後は他社の周辺機器とも接続できるようにして、より幅広い顧客に向けてトータルリンクを訴求したい」と意気込む。