製パンや製菓業界にAMRを使った自動化提案/モバックショウ2025
スマートファクトリーを目指す
マスダック(埼玉県所沢市、奥田信夫社長)は「フレキシブル無人生産システム」を展示した。
今回の展示では、トンネル型のオーブンで焼いた菓子の乗る天板を協働ロボットが取り出し、AMR上のラックに入れて運ぶデモンストレーションを来場者にPR。担当者は「オーブンから出てきた焼き菓子を人の手で扱う現場も多いが、焼き菓子や天板は熱いため危険な作業だった。ここをロボットに置き換える需要は高い」と話す。
同社は専用機やコンベヤーなどを用いた自動化ラインも提案するが、今回はあえてロボットを組み合わせたラインを展示した。「ロボットを使えばレイアウト変更に柔軟に対応できる。将来的には集中管理室でロボットやAMRを管理して完全無人化したスマートファクトリーを目指したい」と意気込みを語った。
前工程に焦点を当てる
ツカサ工業(愛知県半田市、加藤康弘社長)は粉体計量を自動化する「ディバイダー・スケール・モバイルロボット」を展示した。
デモシステムではまず、バケツを載せたAMRが粉体ストッカーの吐出口に行き、粉体を受け取りながら計量を行う。そのバケツをAMRが輸送し、輸送先にある産業用ロボットがつかんで受け取るシステムだ。
粉体の計量や運搬は単純だが重労働。ここを自動化することで従業員の負荷軽減や、人材採用につながる。また人の手を介さないことでヒューマンエラーがなくなることもメリットだ。
「パッキングやパレタイズなどの後工程は自動化が進んでいるが、素材の計量などの前工程はまだまだ自動化が浸透していない。今回の展示会で顧客のニーズを拾い、当社の技術で自動化を提案していきたい」と担当者は思いを語った。
(ロボットダイジェスト編集部 西山勝哉)