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2025.03.13

製パンや製菓業界にAMRを使った自動化提案/モバックショウ2025

大阪市住之江区のインテックス大阪で2月18日から21日の4日間、「第29回国際製パン製菓関連産業展(モバックショウ2025)」が開催された。出展社は製パンや製菓産業に関する機械や器具、資材などを展示。人手不足が喫緊の課題である食品の製造現場に、産業用ロボットや自律走行型搬送ロボット(AMR)を使った自動化や省人化提案をする企業に来場者は熱い視線を送った。

スマートファクトリーを目指す

マスダックは「フレキシブル無人生産システム」を展示し、焼き菓子の載った天板をAMRで運ぶデモを披露した

 マスダック(埼玉県所沢市、奥田信夫社長)は「フレキシブル無人生産システム」を展示した。
 今回の展示では、トンネル型のオーブンで焼いた菓子の乗る天板を協働ロボットが取り出し、AMR上のラックに入れて運ぶデモンストレーションを来場者にPR。担当者は「オーブンから出てきた焼き菓子を人の手で扱う現場も多いが、焼き菓子や天板は熱いため危険な作業だった。ここをロボットに置き換える需要は高い」と話す。

 同社は専用機やコンベヤーなどを用いた自動化ラインも提案するが、今回はあえてロボットを組み合わせたラインを展示した。「ロボットを使えばレイアウト変更に柔軟に対応できる。将来的には集中管理室でロボットやAMRを管理して完全無人化したスマートファクトリーを目指したい」と意気込みを語った。

前工程に焦点を当てる

ツカサ工業は「ディバイダ―・スケール・モバイルロボット」を展示した

 ツカサ工業(愛知県半田市、加藤康弘社長)は粉体計量を自動化する「ディバイダー・スケール・モバイルロボット」を展示した。
 デモシステムではまず、バケツを載せたAMRが粉体ストッカーの吐出口に行き、粉体を受け取りながら計量を行う。そのバケツをAMRが輸送し、輸送先にある産業用ロボットがつかんで受け取るシステムだ。

 粉体の計量や運搬は単純だが重労働。ここを自動化することで従業員の負荷軽減や、人材採用につながる。また人の手を介さないことでヒューマンエラーがなくなることもメリットだ。
 「パッキングやパレタイズなどの後工程は自動化が進んでいるが、素材の計量などの前工程はまだまだ自動化が浸透していない。今回の展示会で顧客のニーズを拾い、当社の技術で自動化を提案していきたい」と担当者は思いを語った。

(ロボットダイジェスト編集部 西山勝哉)

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