[2023国際ロボット展リポートvol.16] 搬送ロボットも多数出展/ヤマハ発動機、MiR、シナノケンシ、ビジョンナビロボティクス
建屋の外も自動搬送/ヤマハ発動機、eve autonomy
ヤマハ発動機は「μ to km(ミクロン・トゥ・キロメートル)」をテーマに、搬送の自動化をアピールした。
1μmクラスの位置決めができる「リニアコンベアモジュール」やAGVを使った工場内物流も展示したが、大きな注目を集めたのが屋外も走行できるシステムだ。
同社のグループ企業、eve autonomy(イブオートノミー、静岡県袋井市、星野亮介最高経営責任者)が開発した自動搬送サービス「eve auto(イブオート)」を提案した。ヤマハ発動機の屋内外対応の電気自動車(EV)に自動運転技術を搭載した。
ゴルフコースなどで使われるランドカーをベースに開発したため、風雨や傾斜、段差のある屋外環境でも走行できる。イブオートを使うことで、工場敷地内での自動運転を実現できる。
ヤマハ発動機のロボティクス事業部長を務める江頭綾子執行役員は「今回の会場内を見渡しても、工場の建屋外の搬送まで自動化を提案するのは珍しいと思う。物を運ぶだけの単純で価値を生みにくい作業こそ、ロボットや搬送装置に任せるべき」とアピールした。
ベース機やソフトをアピール/モバイル・インダストリアル・ロボット
デンマークに本社を置くモバイル・インダストリアル・ロボット(MiR)は、1350kg可搬の「MiR1350」や250kg可搬の「MiR250」など3台のAMRを出展した。
MiRのAMRは走行部の「ベースロボット」と、アプリケーション(使い方)に合わせてベースロボットに取り付ける「トップモジュール」の2つで構成される。
ブースでは、けん引フックのトップモジュールをMiR250に装着してカゴ台車を搬送するデモを披露するなど、大きな注目を集めた。
日本支店の小胎悟エリアセールスマネージャーは「ベースロボットの基本性能の高さや、直感的な操作が可能で使いやすいソフトウエアを日本のお客さまにしっかりとアピールしたい」と語る。