アフターコロナ見据え、協働ロボや新型AGVの提案加速/IDECファクトリーソリューションズ
「非接触」が重要に
協働ロボットに特化したSIerのIDECファクトリーソリューションズは5月28日、1回目の無料ウェブセミナー「ウィズコロナのモノづくりとモバイルロボット活用」を開催した。製造業などから約50人が視聴した。
鈴木正敏取締役ロボットシステム部長が、会社概要をはじめ、新型コロナ禍が製造現場や物流の現場に与える影響、自動化ニーズに応える新型AGV製品などを解説した。
新型コロナ禍が収束した「アフターコロナ」の時代には、人との接触を避ける「非接触」が重要になり、自動化ニーズがより加速すると同社は見通す。
鈴木取締役は「アフターコロナの時代には、従来の労働集約型の環境を維持するのが難しくなる。そこで期待されるのが協働ロボットで、人と機械が一緒に働ける自動化環境の構築が求められる」と説明する。
新製品「MiR250」も紹介
加速する自動化ニーズに対し、今回のウェブセミナーではデンマークに本社を置くモバイル・インダストリアル・ロボッツ(MiR)の自律走行型AGV「MiR(ミア)」の特徴や活用事例を詳しく紹介した。
レーザーセンサーなどで周囲の情報を把握し、自分の位置を推定しながら目的地まで自律的に走行する「SLAM(スラム)方式」を採用。自律走行型搬送ロボット(AMR)とも呼ばれる新世代のAGVだ。磁気テープなどを床に設置する必要がなく、レイアウト変更にも柔軟に対応できる。
ミアはこうした自律走行の機能に加え、安全性の高さを特徴に持つ。突然、進行方向に障害物が出てきたとしても、即座に減速して停止できる。
使い勝手や操作性も良く、プログラミングやセットアップも簡単。鈴木取締役は「わが社のトレーニングコースを1日受講してもらえれば、その日のうちに運用できる」と語る。
また、専用の位置決め板を使うだけで±10mm、±0.4度の停止精度を実現する。
ミアには最大可搬質量が100kgの「MiR100」、同200kgの「MiR200」、同500kgの「MiR500」、同1000kgの「MiR1000」の4機種があり、セミナーではこれらの4機種に加え、今年6月下旬に発売する同250kgの新製品「MiR250」についても簡単に紹介した。
MiR250は最小通行可能幅が80cmで、狭い場所でも走行できるという。
同社は今後もウェブセミナーを実施する計画で、6月25日には「協働ロボットでつくる、ウィズコロナ時代の工場の姿」と題した2回目のウェブセミナーを開催する。
19年12月に取り扱いを始めた中国のJAKA(ジャカ)ロボティクスの協働ロボットなどを紹介しながら、アフターコロナ時代の協働ロボットの活用法を解説する。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)