トヨタと共同でロボット溶接の新工法を開発/安川電機
ロボットで安定加工
安川電機は3月13日、SFAの報道関係者向けの説明会を開き、実機を使ったデモを実施した。同工法はトヨタ自動車と共同で開発したもの。昨年1月から開発に着手し、同年9月に三重県鈴鹿市で開催された「スーパー耐久シリーズ」で新技術を使った車両を初披露した。
SFAはロールケージの高剛性化や製作時間の短縮を実現する新工法。通常のロボット溶接と比べてゆっくりとした速度で溶接することで、熱によるひずみを抑制して高精度に加工できる。高入熱と低入熱を交互に繰り返してビード(溶接痕)を薄く均一に形成できるため、溶接箇所の剛性を高められる。また、2mmほどの隙間があっても溶接が可能で、下や斜めからでもロボットを使って安定的に加工できるのも特徴だ。
3週間を3日に
ロールケージは約50本のパイプで構成され、従来は熟練工が手作業で1本ずつ溶接していた。溶接には高い技術力が必要で、1台当たり2~3週間の製作期間を要する。
一方、レースやラリーなどのモータースポーツは1カ月に1回の頻度で開催されるため、車体のクラッシュでロールケージが破損した場合、次のレースに出場できない恐れがあった。
SFAはこうした課題を解消するもので、SFAの開発でロールケージの製作期間は2~3日に短縮でき、剛性も向上した。
安川電機の岡久学上席執行役員ロボット事業部長は「SFAはロボットで熟練工の動きを再現した新しい工法。生産性の向上はもちろん、ロールケージの品質を高めることにプライオリティー(優先順位)を置いて開発した」と語る。
両社は今後、ロボットが状況を判断して溶接速度を調整するなど、熟練工の手作業をより高度に再現できるよう技術開発を進める構えだ。
(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)