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2020.08.07

[5日間の夏期集中講座vol.5]ここだけは押さえたい!産業用ロボットのきほんの「き」/ロボットの歴史(1/3)

産業用ロボットのウェブマガジン「ロボットダイジェスト(ロボダイ)」の「夏期集中講座」もついに最終日を迎えた。今回はロボットの歴史ついて解説する。「ロボット」の言葉が初めて世に出たのは1920年。ある意味では今年はロボット100周年とも言える。産業用ロボットの歴史は50年代から始まった――。

「ロボット」初登場は1920年

ロボット工学3原則(出所:アイザック・アシモフ「われはロボット(決定版)」<2004年早川書房>)

 4日間かけて、産業用ロボットの定義や市場規模、種類、構成要素、周辺機器、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の役割など、さまざまなことを解説してきた。
 今でこそ急速に需要が拡大している産業用ロボットだが、そもそもいつから世の中に登場したのか? 最終日の今回は産業用ロボットの歴史をひも解く。

 「ロボット」の言葉が世の中に出たのは、今から100年前の1920年。チェコの作家、カレル・チャペックが発表した戯曲「R.U.R.(ロッサム万能ロボット会社)」の中で初めて使われた。
 ロボットはチェコ語で労働を意味する「robota(ロボタ)」や、スロバキア語で労働者を意味する「robotnik(ロボトニーク)」などから作った造語で、同作品の中では現在のロボットとは異なり、人造人間(アンドロイド)に近いものとして描かれている。

 また、ロボットを語るうえで欠かせないのが、米国のSF作家、アイザック・アシモフが作品内で示した「ロボット工学3原則」だろう。1950年に発表した「われはロボット」の中で記したロボットが従うべき3つの原則で、その後のロボット研究にも大きな影響を与えた。

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