コロナ対策の自動化ソリューションを提供/QBIT Robotics
安心で安全な職場環境の整備と生産性向上
2018年1月に設立したキュービット・ロボティクスは、飲食店やホテルなどに協働ロボットシステムを提供するベンチャー企業だ。
多数のロボットが稼働する、大手旅行代理店エイチ・アイ・エスグループの宿泊施設「変なホテル」にコーヒーを入れる協働ロボットを導入したことでも知られる。また、20年1月23日~3月19日には、居酒屋大手の養老乃瀧(東京都豊島区、矢満田敏之社長)と連携し、居酒屋の店内に協働ロボットを導入する実証実験にも取り組んだ。
新型コロナウイルス感染症の脅威が続く中、同社は5月25日、「コロナ対策ソリューション」を提供すると発表した。
コロナ対策ソリューションとは、同社がこれまで培ったロボットやモノのインターネット(IoT)、画像処理の技術を生かしたコロナ対策向け自動化提案の総称。感染リスクの少ない安心で安全な職場環境の整備と、生産性の向上を同時に実現できる。
病院内で食料や薬剤を搬送する自動搬送ロボットやウイルス除染を担う自動搬送ロボット、人工知能(AI)と画像解析技術を駆使した検温サービスなど、自動化関連の技術やサービスを幅広く取りそろえた。コロナ対策を切り口とした提案で、医療機関などに攻勢をかける考えだ。
プログラム言語もバージョンアップ
コロナ対策ソリューションの一環で、工場などで使われることが多い産業用ロボットを使った新たな自動化システムも提案する。
例えば、飲食店向けの無人化調理システム。
同社はこれまで、協働ロボットを使った調理システムを飲食店などに導入してきたが、今回は新たにスマートスピーカーやコミュニケーションロボットを調理システムに取り入れ、音声だけで注文ができるよう改善した。従来はタッチパネルを使って料理を注文していたが、新開発の調理システムを利用すれば非接触で注文でき、感染症の拡大防止に役立つ。
また、自動搬送ロボットと協働ロボットをより簡単に連携できるよう、独自開発のロボットプログラム言語もバージョンアップした。このプログラム言語は、特定のロボットメーカーの製品に依存することなく、さまざまな自動搬送ロボットや協働ロボットに対応できるのが特徴だ。
自動搬送ロボットと協働ロボットを連携させたシステムは、感染者がいる医療機関で力を発揮する。
現状では、搬送ロボットを使う場合でも、防護服を着た医療従事者が食料や薬品を搬送ロボットに載せたり、食後の食器や服薬後のゴミを搬送ロボットから回収したりする。協働ロボットを搭載した搬送ロボットならば、この作業を協働ロボットに置き換えられ、医療従事者の感染リスクを低減できる。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)