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2022.02.14

社会インフラと位置付けられる存在に/日本物流システム機器協会 下代博会長 インタビュー(1/3)

日本物流システム機器協会は、物流や製造の現場での「モノの移動」、いわゆるマテハン(マテリアルハンドリングの略)を担う物流システム機器の業界団体だ。人手不足などを背景に、産業用ロボットなどと同様、自動化・省人化に貢献する物流システム機器への注目度は高まっており、「事業継続に必須の社会インフラに位置付けられる存在になりつつある」と下代博会長(ダイフク社長)は語る。

手間は増えるが人は増やせない

――まずは、物流の最近のトレンドを教えてください。
 物流システム機器が活躍する主な現場の一つに、物流倉庫、物流センターがあります。物流センターでは、昔は荷物を積み上げたパレット(荷役台)単位で品物を扱うことが多かったのですが、最近は商品を一個単位でピッキングする作業が増えました。その背景には、インターネット通販の増加があります。ネット通販は、近年右肩上がりで成長しており、そうした中、今回の新型コロナウイルス禍です。従来は「店舗で買う派」だった人でも、外出を控えるためネット通販を利用した人は少なくないと思います。最初は「仕方なく」であっても、ネット通販は品ぞろえが充実しており、その便利さに慣れてしまえば元には戻れないと思います。

――扱う単位が小さくなって、小口化しているのですね。
 その通りです。昔は複数の家庭分をまとめて班ごとに配送することが当たり前だった生活協同組合でも、いまや個別配送が主流となっています。小口化の流れは変わることはないでしょう。

――小口化が進むと、ピッキング作業などの手間が増えますね。
 はい。ですが物流の現場では、かねてからの人手不足で、人手を集めるのが大変になっています。また、コロナ禍ですから人の密集も避けたい。「自動化できる作業は自動化する」という考え方が広がってきました。自動化や省人化に貢献する物流システム機器は「事業継続に必須の社会インフラに位置付けられる存在」になりつつあります。また、各種システムや機器の進化も、普及拡大を後押ししています。

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