[注目製品PickUp! vol.61]軽くて低コストの協働ロボット/イグス「ReBeL」
特徴は軽さと省スペース、低コスト
イグスが今年から日本で本格的に販売展開するのが、協働ロボット「ReBeL」だ。アームや内部部品に独自の樹脂を使っており、本体質量が8.2kgと非常に軽い。
通常のロボットはロボットコントローラーを本体の周囲に置くが、ReBeLは内蔵している。そのため既設の生産ライン内など、限られたスペースにも設置しやすい。
加えて価格が低い点も特徴で、6軸のタイプは約120万円、4軸のタイプなら約100万円で購入できる。
このような軽さと省スペース、低コストがReBeLの大きなメリット。先行して発売していたドイツでは、これらの特徴を生かしてさまざまな用途に使われているという。
吉田社長は「ピック&プレースなど生産工程の自動化だけでなく、研究用や飲食店でも実績がある。日本国内でも既に引き合いや受注は多く、活用シーンは多岐にわたる」と話す。
ロボット導入の入り口に
導入にかかるコストが低いため、ロボットを導入したことのない企業からReBeLの引き合いを受けることも多い。そこで重要なのは、初めてロボットに触れる人でも使いやすいこと。
ウェブサイトで同社のロボット向けのティーチング(教示)用ソフトウエア「イグス・ロボット・コントロール(iRC)」を無料で公開しており、誰でも使えるようにしている。そのためユーザーは購入前に、同ソフトでロボット動作のシミュレーションができる。
同ソフトはプログラミングなどの知識がなくても操作できるノーコードツールのため、ロボットの動作を簡単に設定できる。LCA事業開発担当の藤井航平さんは「専門の知識がない人でも、1~2時間で簡単な動作ならティーチングできるようになる」と言う。
ソフト面を強化するためにイグスは昨年、ロボットの制御システムやソフトを得意とするドイツ企業を買収した。ユーザーがより使いやすくなるよう、高い頻度でソフトのアップデートを重ねている。操作画面を新たに日本語で表示できるようにし、国内の導入拡大を狙う。藤井さんは「価格が低くソフトも扱いやすいため、ReBeLはロボット導入の入り口になりやすい」と話す。