生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2024.02.21

連載

[SI基礎講座vol.5] 生産技術概論③

ロボットのシステムインテグレーション(SI)に関する基礎知識を紹介する本連載企画。ロボット導入は生産技術部門が中心になることが多いが、生産技術部門がない企業も多い。生産技術概論③では、そうした場合にどうすればいいのかを紹介する。

〔今回の講師:中小機構 経営支援アドバイザー 加藤栄作先生〕


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【今回のポイント!】
〇部門がなければ「機能」で考える
〇関連する全部門が参加するプロジェクトチームを
〇要件定義でロボット導入の成否が決まる

生産技術部門がない!

生産技術部門がない企業で見られる問題(SI基礎講座、スライド資料より)

 ここでは、生産技術部門がない企業で見られる問題について一つお話しします。
 生産技術部門がない企業では、生産管理担当者が進捗(しんちょく)確認のため、頻繁に現場に確認に行く、こうした企業もあると思います。物が今、どこにどんな形であるのかが、現場に行かないと分からない。この場合、何か問題が発生してもその発覚が遅れてしまいます。これに対しては、工程別にきちんと計画を立てて、それに対する進捗がどうなのかを管理する。計画通りに行かない理由は、工順データや標準作業時間データがあいまいなどさまざまあると思います。これらデータはものづくりベースになりますので、きちんと確立しなければ、場当たり的なものづくりになってしまいます。

ネバーギブアップ、諦めない!

生産技術部門がない企業で見られる問題点への対応例(SI基礎講座、スライド資料より)

 次に、生産技術部門がない企業で見られる問題への対応例を紹介します。

 生産技術部門がなくても、生産技術的な機能を担う人はいます。その担当者にまず言えるのが、難しい条件下であっても「ネバーギブアップ!(決してあきらめない!)」。どんな仕事でも同じですが、諦めてはダメです。有名なバスケットボールマンガでも「諦めたらそこで試合終了ですよ」という名言がありましたが、諦めてはいけません。
 生産技術部門がなく一品一様で製造する企業では工程別製造計画をどう展開するか。過去の情報を徹底活用することが鍵になります。

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