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2024.06.19

イベント

食品機械展でロボットに熱視線【その2】/FOOMA JAPAN2024(1/3)

6月4日~7日の4日間、世界最大級の食品総合展「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2024」が都内で開かれた。食品機械がメインの展示会だが、ロボット関連のメーカーも複数出展した。展示リポートの「その2」では、ロボットメーカーやロボットの周辺機器メーカーの展示を中心に紹介する。

自動化領域を広げる/安川電機

自律型ロボット「モートマンネクスト」をアピールした安川電機

 安川電機はレストランの食器洗い場を想定した自動化デモシステムを構築した。自律型ロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)」を2台組み込み、ビジョンカメラと連携させた。
 下膳したトレー上を認識し、食べ残しやごみを廃棄して食器だけをかごに移す。営業本部食品営業部の鈴木章弘部長代理は「通常ロボット化が難しい、食事後のトレーのようなファジー(曖昧)な状況にもモートマンネクストは適用でき、同時に食べ残しなどのデータ収集と分析にもつなげられる。食品業界をはじめ、まだ自動化が進んでいない領域への提案を強化する」と話す。

教示データを圧縮し生産性向上/ファナック

ケーキのデコレーション作業の自動化を想定したファナックのデモシステム

 ファナックは食品仕様の協働ロボット「CRX Food-Grade(フードグレード)」を使い、食品サンプルの上面に模様を描くデモシステムを披露した。
 ブースにはティーチング(教示)用のロボットを設置し、アームを人の手で動かすダイレクトティーチングで模様を描く動作を教示する。その教示データに基づき、2台のロボットがコンベヤー上を流れる食品サンプルに模様を描く。

 執行役員を務める島田直樹ロボットセールス本部長は「教示データを圧縮してロボットの動作をより素早くできるため、例えばケーキ職人が丁寧に時間をかけて教示した模様の量産も実現できる」と語る。

自動化パッケージですぐ稼働/三菱電機

三菱電機はロボットセルで外観検査を自動化を提案

 三菱電機は標準化ロボットセル「BLOCK CONNECT CELL(ブロック・コネクト・セル)」を出展した。ロボットと制御盤、架台などで構成し、ロボットは同社の垂直多関節ロボットやスカラロボットなどから選べる。

 アプリケーション(使い方)に応じてカスタマイズでき、ブースでは外観検査の自動化をアピールした。トレー上のワーク(対象物)の欠けや変形などを検査し、不良品を抜き出して、その空いたスペースに良品を補充する。トレーに最大数の良品を載せることで次工程への搬送効率を最大化できる。

 「展示を通じてロボットの活用方法だけでなく、ロボットセルの設置に必要なスペースや操作の簡単さも実感してもらえれば」と担当者は話す。

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