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2024.10.02

イベント

ロボット学会の学術大会「RSJ2024」に過去最多の参加者/日本ロボット学会

日本ロボット学会(会長・菅野重樹早稲田大学教授)は9月3日から6日の4日間、大阪市北区の大阪工業大学梅田キャンパスで第42回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2024)を開催した。年に一度、国内の大学や企業などに所属するロボット研究者が成果を発表する場で、今年は過去4番目に多い802件の講演を実施。講演を聴講した参加者は過去最多の1663人を記録した。運営委員長を務めた大阪工業大学の野田哲男教授は「ロボット研究への関心の高まりを感じる」と話す。

コロナ禍経て過去最多の参加者

会場の梅田キャンパスはアクセス良好で多くの参加者を集めた

 日本ロボット学会は9月3日から6日の4日間、大阪工業大学で第42回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2024)を開催した。会場となった同大学梅田キャンパスは各線大阪駅・梅田駅から徒歩圏内の好立地にある。

 RSJ2024では802件の講演が行われ、4日間で1663人が来場した。野田哲男運営委員長(大阪工業大学教授)は「RSJの講演数や来場者数は新型コロナウイルス禍で減少したが、2022年以降はコロナ禍以前の増加傾向に戻った。講演数は過去4番目に多く、参加者数は過去最大を記録した。アクセスの良さも参加者増につながった」と話す。

講演に対し参加者から鋭い質問が飛ぶ場面も

 講演は7つのテーマに分類されて構成され、講演数の多い順に「ロボット応用技術」「人ロボット協調」「ロボット制御・知能化」「ロボット基盤技術・構成要素」「ロボット移動機構・形態」「ロボットと社会」「ロボットマニピュレーション」となった。また、講演中のキーワード数としては、「ロボットと社会実装」「ヒューマンインタラクション」「サービスロボット」「機構」「機械学習・ディープラーニング」が上位を占めた。

ロボット関連企業も強い関心

特別講演の講師を務めた川崎重工業の橋本康彦社長

 会期3日目の9月5日には、同学会の各種表彰式や特別講演が開催された。特別講演の講師には川崎重工業の橋本康彦社長兼最高経営責任者(CEO)が登壇。「ロボットによる社会課題解決に向けて―産官学連携への期待―」とのテーマで、ロボットが社会で役立つために求められる産官学の役割などについて語った。RSJの特別講演に大手ロボットメーカーの現役トップが登壇するのは異例で、野田運営委員長は「企業が学会に参加する意義をPRするため、ロボットメーカーのトップの講演を企画した」と言う。

講演の合間に企業出展ブースを訪れる学生も見られた

 RSJ2024には、関西に本拠地を置く企業がスポンサーに名を連ねた。「地元企業を中心にスポンサーの希望をたくさんいただいたが、会場の企業出展ブースに限りがあるため、やむをえずお断りするケースが続出した」と野田運営委員長。樹脂製のロボット減速機などを提案するスターライト工業(大阪市旭区、西郷隆志社長)も出展し「採用や共同研究を視野に、学生と話せる貴重な機会」(同社スタッフ)と期待を寄せた。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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