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2024.11.08

新たなバリ取り自動化システムで中小企業への導入狙う/JOHNAN

各種装置の受託開発や受託製造を得意とするJOHNAN(ジョウナン、京都府宇治市、山本光世社長兼最高経営責任者<CEO>)はオリジナル製品として、切削加工で生じる不要な突起(バリ)を除去するロボットシステム「BurrS Bird(バリスバード)」を設計、開発する。今年7月にバリスバードを小型化した「バリスバードmini(ミニ)」を発売した。「中小企業でバリ取りを自動化したいとの声を聞くが、設置スペースの大きさと導入費の高さがボトルネックだった。小型化することで導入を推し進めたい」とマシナリー・ソリューション事業本部西日本営業担当の末吉俊英さんは話す。

導入のハードルを下げる

バリスバードミニの3Dイメージ

 JOHNANは今年7月にバリ取りロボットシステム「バリスバードミニ」を発売した。6軸垂直多関節ロボットとバリ取り用のエンドエフェクター、専用の架台で構成される。その名の通り、従来品のバリスバードよりも小型なのが大きな特徴だ。

 サイズは従来品が幅1800×奥行き1550×高さ2000mmに対して、ミニは幅1000×奥行き1300×高さ1900mmで、設置面積は従来品の半分以下の1.3㎡で済む。1畳にも満たないため、狭小な製造現場でも設置しやすく導入ハードルを押し下げた。

 同製品は中小企業をターゲットに据える。導入を進める上で越えなければならないハードルが、サイズの小型化と導入費用の低減だ。「バリ取り作業は利益を直接生み出す工程ではない。そのため、バリ取りシステムが高額だと導入に二の足を踏む顧客が多い」と末吉さんは言う。中小企業でも導入しやすいよう、装置のみの価格は従来品のおよそ半額に設定した。

必要な機能まで削ぎ落としたくない

「従来品から使いやすさを維持するために回転テーブルは必要な要素」とマシナリー事業本部西日本営業担当の末吉俊英さん

 「コストダウンするために、従来品から機能を削減するのは避けられなかった。とはいえ、運用する上で必要な機能まで削ぎ落さないよう注意を払った」と明かす。 

 削ぎ落したくなかった機能の1つが加工対象物(ワーク)を載せる回転テーブルだ。ロボットは従来品より小型のものを使うため、当然リーチも短くなる。ワークの奥側にアームを伸ばしてバリを取るのは難しいため、加工しやすい位置にワークの向きを変えられる回転テーブルの重要性は非常に高い。縦回転のテーブルもオプション品としてラインアップする。

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