生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2024.10.28

[注目製品Pick Up!vol.73]要望に応えて機能を拡充する/ダイセイ「協働ロボット自動計測システム」

精密測定機器やベアリング向け超仕上げ機を製造、販売するダイセイ(大阪府池田市、川口健二社長)は、協働ロボットを使って、穴の直径やねじ穴などを検査、計測するパッケージ商品「協働ロボット自動計測システム」を販売する。販売当初は穴の直径が適正なサイズかどうかの判断しかできなかったが、顧客からの要望を受けて機能を充実させた。

空気で穴径を計測する

 ダイセイは精密測定機器や、ベアリングの表面を砥石(といし)で研磨する超仕上げ機などを手掛ける。
 2022年に発表した協働ロボット自動計測システムは、協働ロボットと計測用のエンドエフェクター、架台で構成されたパッケージで、穴径の測定やねじ穴の検査を自動で行える。

測定ヘッドを穴に挿し込み、噴出した空気の流量で穴径を測定する

 穴径の計測では、独自開発のエンドエフェクター「内径フレキシブルエアプラグゲージ」が肝となる。同製品の先端に付く可変ガイドを穴の大きさに合わせて開閉し、穴に挿し込む。ガイドの側面にある噴出口から空気を噴出し、穴の内側と測定ヘッドの間に流れる空気の量から穴径を測定する。非接触で計測できるため、ワーク(測定対象物)を傷つけるリスクを減らせる。現在は円筒ワークや穴の内径の計測に対応する。
 穴径は需要が高い33mm~40mmのサイズを測定できるものを開発した。要望次第でそれ以外の範囲も測れるようにカスタマイズできる。

顧客からの要望が多かったねじ穴の検査にも対応

 ねじ穴はJIS規格で定められている「通り」と「止まり」の2種類を検査できる。通りは規格内の最小サイズに合わせたねじゲージ(ねじ型の検査器具)が奥までしっかり入るかを検査し、止まりは規格内の最大サイズに合わせたねじゲージが2回転以内で止まるかを検査する。
 「ねじ穴の検査は手作業でやることがほとんどだったが、それを自動化できたことに大きな意義がある」と松本一徳開発プロジェクトリーダーは話す。

 計測用のエンドエフェクターだけでなく、刻印用のエンドエフェクターも開発した。計測後にエンドエフェクターを自動交換してシームレスに打刻作業へ移れる。刻印は二次元コードの他に、文字情報も打刻できる。

TOP