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2024.12.05

八王子で展示会を開催、約50社が省人化機器など提案/アサ電子工業、日伝

機械・電気部品メーカーのアサ電子工業(東京都小平市、麻健社長)と機械部品・産業機器商社の日伝は11月22日、共同で展示会「MEKASYS(メカシス)2024 in 八王子」を開いた。MEKASYSは日伝の事業ブランドで同様の展示会を全国各地で開催するが、今回展はアサ電子工業の創立50周年記念イベントも兼ね、都内の同社八王子工場内で開催した。アサ電子工業や、日伝の取引先メーカーなど約50社がブースを構え、省人化につながる機器や要素部品などを紹介した。

把持と同時に寸法を確認

 メカシス2024 in八王子はアサ電子工業八王子工場の3階と4階を使って開催され、約50社が出展した。
 主催でもあるアサ電子工業は、モーターなどの回転を伝達する軸継手(カップリング)や各種磁気センサー、小型電磁ブレーキなどをデモシステムと共に紹介した。

「創立50周年で初めてこうしたイベントを開催した」と話す麻健社長

 同社がこうしたイベントを開催するのは今回が初めてで、「要素部品は単体で見ても分かりにくく、どう使えばよいかをイメージしてもらいにくい。そのため、デモシステムと共に実際に見てもらえる場を作りたかった」と麻社長は話す。

アサ電子工業の精度シリンダーセンサーのデモシステム

 展示の目玉の一つは、ロボットハンドに搭載した高精度シリンダーセンサー「ACHシリーズ」。ハンドで把持した際に、自動で把持対象物(ワーク)の寸法をチェックするアプリケーション(使い方)を紹介した。
 ストッカーからワークを取り出す際に、①寸法に問題がないOK品、②ワークなし、③寸法が大きいNG品、④寸法が小さいNG品、の4パターンを自動で即座に判別し、①③④をそれぞれ異なる場所に置くデモを披露した。

 「シリンダーセンサーはシリンダーが所定の位置まで動いたかどうかを確認するために使われるが、5mm以下の差異は認識できない製品が一般的だった。一方わが社の高精度シリンダーセンサーなら最小0.1mmの差異まで検出でき、こういった使い方が可能」とアサ電子工業の橋本岳浩営業部長は言う。

協働ロボットやAMRで省人化を提案

ツールチェンジしながら協働ロボットで作業する

 日伝のMEKASYSブースでは、協働ロボットを使ったワークのハンドリングを提案した。ツールチェンジャーでグリッパーを交換しながら、川崎重工業の双腕型協働ロボット「duAro(デュアロ)」でワークをつかみ、所定の場所にセットする。その際、置く場所の位置決めにはアサ電子工業の高精度タッチスイッチを使用した。タッチスイッチが接触した地点でワークを離すことで、毎回精度よく同じ位置にワークをセットできる。

KeiganALIで高さの異なるコンベヤー間を搬送

 その他、Keigan(ケイガン、京都府精華町、徳田貴司社長)のブースでは自律移動型搬送ロボット(AMR)「KeiganALI(ケイガンアリ)」を展示。AMRによるコンベヤー間の箱の搬送デモを披露した。高さの異なるコンベヤー間で箱を受け渡すため、今回展のためのアサ電子工業の機器を使ってAMRに天板の高さ調整機能を付与したカスタマイズ仕様だ。

「プライベートショーが難しいと言われるエリアでも開催できた」と話す日伝の亀井信吾西東京営業所長

 今回展の運営を担当した日伝の亀井信吾西東京営業所長は、「都内では大型のパブリックショーが多数開催されるため、プライベートショーの開催が難しいエリアと言われているが、アサ電子工業や各出展社などの協力のおかげで今回開催することができた。複数の技術セミナーや、隣接する東京精密のショールームツアーなどもあり、来場者にお喜びいただける内容になったのではないか」と述べた。


(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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