欧米や日本だけじゃない。台湾にもロボットメーカーが!【その1】
産業用ロボットと言えば、米国で研究が進められ、欧州メーカーが市場を開拓し、日本メーカーもそれに続いたとされる。諸説あるものの、欧州と日本のメーカーが多くのシェアを占める現状を見れば疑いようもない。しかし欧州や日本のメーカーだけでなく、台湾にも産業用ロボットのメーカーがあり、工作機械とともに中国をはじめとするアジアや欧州の新興国の市場に進出している。台湾メーカーのロボットと、ロボットを導入した自動化や省人化の取り組みを紹介する。
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産業用ロボットと言えば、米国で研究が進められ、欧州メーカーが市場を開拓し、日本メーカーもそれに続いたとされる。諸説あるものの、欧州と日本のメーカーが多くのシェアを占める現状を見れば疑いようもない。しかし欧州や日本のメーカーだけでなく、台湾にも産業用ロボットのメーカーがあり、工作機械とともに中国をはじめとするアジアや欧州の新興国の市場に進出している。台湾メーカーのロボットと、ロボットを導入した自動化や省人化の取り組みを紹介する。
HCI(大阪府泉大津市、奥山剛旭社長)は、柔軟物のハンドリングと人工知能(AI)の自社開発が特徴のロボットシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。働き手や後継者不足に悩む地元企業のロボット導入を支援するため、2018年9月に「HCIロボットセンター」を開設した。泉大津市を含む南大阪地域では初のロボットの常設展示施設。奥山社長は「ロボット技術を通じて南大阪、そして日本の製造業の活性化に貢献したい」と話す。
ファナックが2018年12月20日付で人事異動を行った。※カッコ内は前職、部長は省略〔ロボット事業本部ロボット機構開発研究所〕副所長兼スポット溶接ロボット開発兼製造統括本部長補佐(要素技術開発)井林純◇ハンドリングロボット開発(スポット溶接ロボット開発)丹野善博◇スカラ・ゲンコツロボット開発(ハンドリングロボット開発)滝川隆士
ソフトウエアを開発・販売するゼネテック(東京都新宿区、上野憲二社長)は、産業用ロボットのティーチングソフト「Robotmaster(ロボットマスター)」の日本語最新版である「Version7.0」(バージョン7.0)を1月16日に発売した。従来はロボットマスターの動作プログラムの作成に同社が販売するCAD/CAMソフト「Mastercam(マスターキャム)」の機能を使っていたため、ロボットマスターを使用するにはマスターキャムの導入が必須だった。バージョン7.0はロボットマスターに動作プログラムの作成機能を組み込んだため、単体で使用可能。他にも、周囲との衝突を回避する機能などを改良した。ロボットマスターは米国Hypertherm(ハイパーサーム)が開発。パソコン上で動作プログラムを作成できるので、専用の操作盤でロボットに動きや姿勢を直接記憶させる必要がなく、ロボットを長時間止めずに済む。
今回紹介するHCI(大阪府泉大津市、奥山剛旭社長)は、柔軟物のハンドリングを得意とし、画像認識などの人工知能(AI)を自社開発できるのが特徴のロボットシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。同社はもともとケーブルやワイヤの製造装置を開発、製造するメーカーで、培った技術を生かしてSIer事業を展開する。泉大津市を含む南大阪地域では製造業の中小企業の後継者不足が問題になっており、解決策としてロボット導入を提案する。
「第18回光・レーザー加工展(フォトニクス)」など3つの展示会が12月5日~7日、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた。会場で来場者の注目を集めたのは、ロボットを活用した実演だ。溶接や塗装加工の分野では産業用ロボットを早くから活用してきた歴史があり、知見やノウハウも多い。これら分野の最新提案から、今後の産業用ロボットの動向を探ってみたい。
FUJIは1月10日、3次元データを活用したサービスを提供するラティス・テクノロジー(東京都文京区、鳥谷浩志社長)と共同で、自動化設備の導入を効率化するプラットフォーム「e-Sys(イーシス)」の開発を進めていると発表した。イーシスはロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer)向けのプラットフォーム。ロボットや周辺機器など、自動化に必要となるさまざまな製品の3次元データを入手できる。データを組み合わせることで自動化設備の構成や動作を仮想空間上でユーザーと共有でき、認識違いによる手戻りをなくせる。
ロボットコントローラーを製造するMUJIN(東京都墨田区、滝野一征最高経営責任者〈CEO〉)は1月10日、工作機械製造大手のオークマへコントローラーのOEM供給を開始したと発表した。
CNC旋盤に内蔵するためのロボット「ARMROID(アームロイド)」と、自動化システム一式をコンパクトにパッケージ化した「STANDROID(スタンドロイド)」のコントローラーに採用された。狭い機内でも周囲にぶつからない経路をコントローラーの人工知能(AI)が自動で作成するため、ロボットに動作を教え込むティーチングが最小限で済む。
アームロイドは加工物の付け外しや、機内の洗浄など複数の工程を1本のロボットアームで担う。スタンドロイドは加工材料のストッカーとロボットが一体化したユニットを機械の横に設置し、電源とネットワークケーブルをつなぐだけで自動化システムの据え付けが完了する。
1月11日に都内で、ロボット関連3団体の新春賀詞交歓会が開かれた。冒頭のあいさつで、日本ロボット工業会の橋本康彦会長(川崎重工業取締役)は「今年は前年比4%増の1兆500億円の受注を期待する」との見通しを発表した。
編集部が注目した特徴的な製品を紹介する「注目製品PickUp!」の第6弾は、ロボット本体ではなく、ロボットアームの先端に取り付けるグリッパー(ロボットハンド)を初めて取り上げる。ハンドはつかむ物と直に接触する重要な部位で、ロボットの用途の広がりに合わせて製品開発も活発だ。今回紹介するのはシュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)の「Co-act(コ・アクト)グリッパー」。国内では珍しい、協働ロボット向けのハンドだ。