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2021.02.26

[特集 物流機器は新世代へvol.5]新トレンドは省スペース、パレ・デパレの新製品続々

独自の工夫で差別化図る直交型システム

西部電機はパレタイズ・デパレタイズシステムと自動倉庫システムの組み合わせを提案

 パレタイズ・デパレタイズのシステムには垂直多関節型ロボットが使われることが多いが、アームを振り回す分、広いスペースが必要になる。協働ロボットも省スペース化に寄与するが、同じく省スペースで設置できる直交構造のロボットを使ったシステムを提案する企業も多い。

 西部電機は、直交型のパレタイズ・デパレタイズシステム「ファインピッカーC」と、自動倉庫「RIOシステム」の組み合わせを提案する。パレット上の箱をファインピッカーCで荷下ろしし、RIOシステムに収納する。吸着方式のロボットハンドを使用し、可搬質量は30kg。1時間で最大600箱を扱える。

直交型パレタイズシステムのラインアップを強化するスター精機

 スター精機(愛知県大口町、塩谷国明社長)は、高さ2mの全低高ロボットパレタイザー「PXシリーズ」を20年11月に発売した。直線軸の組み合わせで構成され、省スペースで設置できる。軸構成を工夫することで、アームが上方向に飛び出ない構造にしており、天井が低い場所にも設置できる。
 同月に千葉市で開催された食品製造の自動化・省人化展「フードテックジャパン」に出展し、19年に開発したPXシリーズよりも一回り大きい「PXWシリーズ」と組み合わせて展示した。

パレットが昇降することでアームの動きを最小化するPSSのシステム

 専用機メーカーのPSS(宮城県石巻市、渥美春人社長)も、直交軸を組み合わせたパレタイザーとデパレタイザーを開発した。
 直交構造ならではの省スペース性に加え、箱を積み込むパレットと、コンベヤーから引き込んだ箱を昇降させる機能があることが大きな特徴だ。アームの上下動の時間を削減できるため作業効率が高く、パレタイザーでは毎分12箱を積み込める。
 「多くの引き合いがあり、ニーズはある。大手企業から一気に複数台の発注もあった」と赤間幸雄取締役は手ごたえを語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)




特設ページ:特集 物流機器は新世代へ vol.1~7

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