[ショールーム探訪 vol.36]体験を何より重視/オリエンタルモーター「Robot Lab」
小型ロボットOVRの製品群が一堂に
オリエンタルモーターのショールーム「Robot Lab」は、都営大江戸線やつくばエクスプレス線が接続する新御徒町駅から歩いて1分の場所に位置する。東北や北陸方面の新幹線の発着駅でもある上野駅からも徒歩圏内のため、都内からだけでなくこれらの地域からのアクセスも良い。
ショールームに入ると、多数のデモ機が目に飛び込んでくる。同社の「小型ロボットOVR」の製品群だ。垂直多関節ロボットと水平多関節(スカラ)ロボット、直交ロボットをラインアップしており、ここではそれら全てを一度に見られる。ロボット単体だけでなく、カメラをはじめとする周辺機器や複数のロボットを組み合わせたデモシステムも展示する。
特徴的なロボットを見られる
Robot Labではロボットの動作やサイズ感などを見られるだけでなく、ユーザーが実際のワークを持参すれば搬送テストにも対応する。テクニカルサポート部の知久竜一主任は「展示会などもあるが、ロボットを実際に見てもらえる機会を増やすためにRobot Labを開設した。この場でワークを用いたテストをして、ロボット導入のイメージをつかんでもらえたら」と語る。
同施設内にも並ぶ製品群のうち、特にスカラロボットの引き合いが多い。一般的なスカラロボットと比べて先端が薄型の構造をしており、垂直方向の幅が狭い棚にもワークを出し入れしやすい。他のスカラロボットと比べて構造や動きが特徴的なことから、この場所で実機を目の当たりにできる意義は大きいだろう。
垂直多関節ロボットは4軸と5軸、6軸をそろえ、4軸はサイズの異なる3種類をラインアップする。「ユーザーからは動作範囲や自由度などの観点から6軸を使いたいとの声も多いが、作業内容から4軸や5軸タイプでも問題なければ、そちらを提案することもある。作業に適したロボットかどうかも、Robot Labでテストをしながら説明すると実感してもらいやすい」と知久主任は言う。
ユーザーの分野は自動車や食品、文房具関連などと多岐にわたるが、用途はワーク搬送など単純作業の自動化がほとんどという。「ワークの形状が特殊な場合は、どうつかむかが最初の課題になる。テストの際にはどんなグリッパーや爪の形状が良いかなどの提案もする」と知久主任は話す。テスト用に市販のグリッパーを複数用意しているが、今後は種類を増やしてテスト環境のさらなる充実を狙う。