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2023.06.01

[特集 工場物流を刷新せよ!vol.1] マテハンで差を付ける

付加価値を生まないからこそ

4月の関西物流展。マテハン関連の展示会の規模は年々拡大。

 加工や組み立ては物の付加価値を直接高める工程だ。例えば金属の塊を削って機械部品に作り替えることでその物の価値を高められる。一方マテハンは、付加価値を直接生む工程ではない。物を搬送しても、その物自体の価値が高まるわけではない。工場では、どうしても設備投資の中心は直接価値を生む工作機械などの生産設備になりがちで、マテハンシステムはかなり昔に導入してそれっきり、という現場も少なくないだろう。だからこそ、刷新することで大きな差がつく。直接は付加価値を生まないマテハンは、自動化・省人化を特に積極的に推進すべき領域だ。

 今回の特集で取り上げた各社は、マテハンを切り口に現場の革新を提案、あるいは実現した企業だ。村田機械(京都市伏見区)の村田大介社長には、マテハン機器と工作機械の両方を手掛けるメーカーとしてシナジー(相乗効果)などを聞いた。DMG森精機は自律走行ロボットシステム「WH-AMR」を使った搬送の自動化提案など、マテハン自動化の提案にも力を入れる。
 先進的な導入事例としては、オカムラがファナックパートロニクス(長野県茅野市、澤田毅社長)に納入したロボット自動倉庫「オートストア」と、三機(名古屋市熱田区、木島正人社長)が大野精工(愛知県西尾市、大野龍太郎社長)に納入した中国Pudu Robotics(プードゥーロボティクス)の配膳ロボットシステムを取り上げる。日本物流システム機器協会の下代会長には、マテハン業界側の視点から自動化の現状や展望について語ってもらった。マテハン自動化を検討する企業の参考になるよう、多数のマテハンシステム・機器メーカーの一押し機種が一目で分かるページも設けた。
 今回の特集名は「工場物流を刷新せよ!」。製造業の競争力強化の鍵はマテハンにある。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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