食品向けロボットが注目集める!【その1】/FOOMA JAPAN2023
総菜をコボッタプロで盛り付け/デンソーウェーブ
デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)は、生産性も追求した協働ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」を使ったシステムをアピールした。コボッタプロを使ったシステムは2つ。
一つが、組み合わせ計量器を使ったシステムだ。たらこを1本ずつ組み合わせ計量器に載せると、2本で所定の重量になる最適な組み合わせを計量器が表示。その表示をロボットシステムがカメラで認識し、その2本を販売用の容器に詰め合わせる。
「食品工場では生産性も求められるが、人と近い場所で稼働するため高い安全性も求められる。生産性と安全性は通常はトレードオフの関係になりがちだが、生産性の高いコボッタプロに、高感度に接触検知ができクッション性も備えるオプション『タッチセンシングソフトカバー』を装着することで、その両立を可能にした」(セールス・マーケティング統括本部)と言う。
構造一新、20kg可搬でパレタイズ提案/ユニバーサルロボット
デンマークの協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)は、6月に出荷を開始したばかりの20kg可搬の新機種「UR20」を紹介した。
会場で披露したのはパレット(荷役台)に段ボール箱を積み下ろすパレタイズ/デパレタイズ作業だ。従来から16kg可搬の機種でパレタイズの提案をすることはあったが、リーチが短く、箱を高く積むには昇降機構と組み合わせる必要があった。UR20は1750mmの長いリーチがあるため、昇降機構なしで標準的なパレットに荷物を積み下ろしできる。ロボット1台で完結できるため、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)でロボットと昇降機構を連動させる必要もなく、システム構築も容易になる。
既存の「UR eシリーズ」同様に先端力覚・トルクセンサーを搭載するため、箱をつぶさず、かつ落とさず、丁寧に置くことができる。
「UR製の他のロボットと見た目は似ているが、UR20は関節内部の構造などが全く異なる次世代機。パレタイジングだけでなく、溶接やマシンテンディング(加工機への被加工材の付け外しなど)にも提案していきたい」と西部慎一アプリケーション・エンジニアリング・マネージャーは話す。
――FOOMA JAPAN2023【その2】へ続く
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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