[特集 2023国際ロボット展vol.3]技術は「使いやすさ」のために/ファナック 稲葉清典 専務
自動化への“感度”が変わる
ファナック 稲葉 清典 専務
ファナックは今年8月、産業用ロボットの累計出荷台数100万台を突破しました。最初の50万台に達するまでには40年間かかりましたが、後半の50万台はわずか6年でした。それほど、ロボット導入が加速しています。短期的な上がり下がりはあるものの、中長期的に見ればロボットの需要は今後も伸びていくでしょう。
自動化の目的が、品質の安定や生産性の向上などから「事業の継続」へと変わってきたと実感しています。日本では生産年齢人口が現在の7400万人から2030年には6500万人へと減り、製造業や流通業では100万人以上の労働力が不足すると考えられています。
現場の人は今でもじわりじわりと感じ始めていると思いますが、1年たつだけで感じ方が大きく変わると思います。人手不足が「ひっ迫してきた」ではなく、事業継続を左右するものとして感じられるようになる。今でも自動化に取り組む企業は増えていますが、3年もすれば自動化に対する“感度”が全く別のレベルになっていると思います。
一方、「主役は人」であることはこれからも変わりません。人がロボット・機械と連携して、価値あるものを世に出すことに貢献できればと思う次第です。その連携が実現できるよう、必要な要素技術を高めていきます。ロボットが製造業を支える真のインフラの一つになることを目指します。これからの未来のためにも、労働力不足をはじめとした、社会問題に自動化を通して貢献していくことはわれわれの重要な社会的役割であることを改めて強く感じています。
※本特集は「月刊生産財マーケティング」とのコラボレーション企画であり、同誌12月号(11月27日発刊)でもこの記事をお読みいただけます。
vol.1 ロボットはインフラに
vol.2 ロボットがより身近に/橋本康彦 運営委員長
vol.3 技術は「使いやすさ」のために/ファナック 稲葉清典 専務
vol.4 今ロボットに何ができるか/安川電機 岡久学 ロボット事業部長
vol.5 ソリューション提案に注力/三菱電機 武原純二 主管技師長
vol.6 協働ロボットでも高速、高精度を/不二越 越野敦 部長
vol.7 トレンドは「ソリューション提案」/ロボットメーカー
vol.8 自慢のパッケージ製品を披露/マシンテンディング
vol.9 周辺機器は使いやすく、安全に/ロボット周辺機器
vol.10 多彩なソリューションを提案/併催ゾーン
vol.11 iREXインフォメーション