ウェビナーで、先の読めない時代に必要な柔軟性をアピール/ユニバーサルロボット
人が物理的に作業しにくくなる時代に
ユニバーサルロボットは4月中旬から、ウェビナーを積極的に開催している(https://ur-japan.videomarketingplatform.co/webinars)。新型コロナウイルスの感染拡大により、セミナーや展示会など顧客と対面する場でのPRができないため、その代替として月に4、5回のペースで実施する。
同社は安全柵なしで設置できる協働ロボットの専業メーカーで、受講者の持つ協働ロボットへの知識量などに合わせてセミナーの内容を分けている。ロボットの導入経験のない顧客向けには、協働ロボットの特徴や導入に向けた具体的な検討項目を説明する。導入済みの顧客には、より効率的な運用方法や安全に使用するための検討課題を解説する。
担当するの西部慎一技術サポートマネジャーは、「従来からの人手不足で協働ロボットへの関心は高かった。さらに今回の事態を受け、新たな需要が発生した。新規顧客の関心も高まっており、疑問点を解消できるような内容にしたい」と、セミナーを作り込む。
西部マネジャーが実感する協働ロボットの新たな需要とは。「製造現場には人が密集する工程がある。人との距離を保つ必要のある“コロナ後”に備えて、作業内容は大きく変えずに工程に携わる人数を減らす需要が生じている。協働ロボットはそのような用途にうってつけで、柔軟に運用できることをアピールしたい」と語る。
ロボットをスマホのように
一般的にロボットシステムの構築にはさまざまな専門知識が必要で、使用現場にロボットの動作を教示できる人員がいないことも珍しくないため、構築や配置転換などをシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が担うことが多い。
ただ、ロボットシステムの構築、配置転換や教示を顧客自身でする方が早く、コストも掛からない。つまり、ロボットが簡単に使えるようになると、顧客に産業用ロボットの使用経験がなくても、導入のハードルを下げられる。
同社は、あらゆる製造現場でロボットをより簡単に使えるように、2008年に世界初の協働ロボットを開発した。以後、製品ラインアップを増やし、本体の機能を拡張している。西部マネジャーは自社の開発思想を説明する際に、協働ロボット本体をスマートフォン(スマホ)に例える。
「スマホは、顧客が自身で使いたいアプリを入れて使いやすさを向上させる。わが社のロボット本体も、ソフトウェアで教示を簡単にしたり、機能を拡張できる」。同社では、自社製ロボット(URロボット)の教示をする専用ソフト「Polyscope(ポリスコープ)」に四半期に一度のペースで新機能を追加。ソフトを更新さえすれば、本体は購入時のままでも新たな機能を使える。
5月27日には、最新版ソフトに追加された機能を解説するウェビナーを開催した。そこで、同ウェビナーを記者が実際に受講してみた。