協働ロボットを使いこなすポイントを解説/iRooBO Network Forum
産業用ロボットの延長ではない
協働ロボットは、安全柵なしで人と一緒に作業できることが最大の特徴だ。昨今では国内外のロボットメーカーから多くの機種が販売されている。
協働ロボットがどのような作業の自動化に有効で、メーカーごとにどのような特徴があるのか。初めて協働型ロボットの導入を検討する企業にとり、それらを知ることは重要だ。
アイローボの坂本会長はセミナーの冒頭で「協働ロボットを産業用ロボットの延長として考えてはいけない」と指摘。「産業用ロボットは設備であり、可搬重量やリーチ、タクトタイムで機種を選ぶが、協働ロボットは道具という性格が強く、作業内容で選ぶべき。産業用ロボットは自動化が目的だが、協働ロボットは自動化ではなく効率化を目指すものだ」と説明した。その上で、協働ロボットの導入ポイントとして、①協働ロボットでなければならないか?②協働ロボットは簡単か?③コストに見合っているか?④リスクアセスメント(安全対策)できますか?――の4つを挙げた。
クカと三菱電機の事例を解説
クカのLBRイーバは7軸垂直多関節ロボットで、7軸全てにトルクセンサーを搭載し繊細な動きを実現できる。セミナーでは、ラインを流れてくる対象物の位置にばらつきがあっても、画像処理システムを使わずに作業を自動化した事例を紹介した。
三菱電機のメルファアシスタは、人工知能(AI)機能やソフトウエアを追加しやすく、豊富な周辺機器のラインアップが特徴。検査工程や工作機械への被加工材の付け外しなどの活用事例を紹介した。
セミナーでは、LBRイーバによるデモンストレーションも実施。実機を使ってデモンストレーションの中継をするセミナー形式は、アイローボとして初めての試みだったが、参加者には好評を博した。
セミナーは当初、配信元でもある会場での参加とオンライン参加の2通りの形式で開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、オンラインのみの開催に変更。会場での参加を予定していた人を含め、66人がオンラインセミナーに参加した。