[特集 物流機器は新世代へvol.1] かつてないほどの注目浴びる物流自動化・省人化
自動化機器が活躍する場は多い
ひと口に「物流」と言っても、その中身は幅広い。分類すると、輸送・保管・荷役・包装・流通加工が「物流5大機能」と言われ、近年はそれに「情報」を加えて6大機能とも呼ばれる。
トラックの自動運転など、輸送でもロボティクス(ロボット工学)技術の応用は研究されているが、現状でロボットやロボティクスに親和性が高いのが、倉庫への入出庫や荷物の積み下ろし作業をする荷役だろう。
荷役台(パレット)への荷物の積み下ろしや、搬送、棚入れ、ピッキング(集荷)、仕分けなど、機械化・自動化の対象となる作業が多く、コンベヤーや仕分け機(ソーター)、立体自動倉庫、無人搬送車(AGV)、産業用ロボット、各種専用自動機など、さまざまな自動化機器が活躍する。
また、製品を箱などに入れる包装や、検品やラベル貼りなどをする流通加工にも自動化機器は使われる。
エッセンシャルだが難しい人手の確保
新型コロナウイルス禍では、報道などで「エッセンシャルワーカー」という言葉をよく聞いた。緊急事態宣言下であっても止めてはならない「社会生活の維持に必要不可欠な業務」に携わる人たちを指す言葉だ。物流はまさに、エッセンシャル(不可欠)な業界の一つだ。
社会に不可欠な物流だが、担い手不足が深刻だ。物流関連ではトラックドライバーなどの輸送分野の人手が最も不足していると言われるが、日本ロジスティクスシステム協会JILS総合研究所が2017年に行った調査では、「荷役」の労働力が不足していると回答した企業は69.2%にもなった。71.2%が不足と答えた「輸送」に続き、2番目の水準だ。「包装」「流通加工」「保管」などでも労働力不足との回答が約半数を占めた。