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2021.04.14

20年度は減収も増益を達成/安川電機

 安川電機は4月9日、北九州市八幡西区にある本社で会見を開き、2021年2月期の決算を発表した。会見は新設の研究開発拠点「安川テクノロジーセンタ」で行われ、小笠原浩社長と村上周二専務執行役員が出席。東京本社ではテレビ会議方式で発表した。

真新しい「安川テクノロジーセンタ」で発表した

 同社は国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、20年度の売上高に当たる売上収益は前年同期比5.2%減の3897億1200万円、営業利益は同12.3%増の271億8000万円となり、減収増益だった。小笠原社長は「上半期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、製造業全般で設備投資が抑制された。しかし、中国では生産活動の正常化がいち早く進み、次世代通信規格(5G)など『ニューインフラ』関係の投資が積極的で、期末にかけては自動車や半導体市場でもグローバルで需要が回復するなど、設備投資を拡大する動きがあった」と総括した。

2021年2月期の業績

 セグメント別では、モーションコントロール事業の売上収益は1760億1400万円(前年同期比2.5%減)で営業利益は245億7600万円(同19.6%増)、ロボット事業の売上収益は1394億9400万円(同8.3%減)で営業利益は69億700万円(同6.2%増)、システムエンジニアリング事業の売上収益は507億6300万円(同8.6%減)で営業利益は10億3000万円の赤字(同14億9900万円悪化)となった。

「数値化するのは難しいが、YDXの効果は大きい」と小笠原社長

 増益には約100億円の経費節減が大きく寄与した。村上専務は「節減額の約6割が労務関係費。欧米で実施した一時帰休や時短が大きい。社会保障費の減免や、旅費の減少、外注の仕事を社内に取り込んだことも影響した」と話し、小笠原社長も「『安川デジタルトランスフォーメーション(YDX)』も経費の節減に貢献した」と語った。

2022年度を最終年度とする新中期経営計画「チャレンジ25プラス」の目標

 今年度の売上収益の見通しは前期比10.3%増の4300億円、営業利益は同54.5%増の420億円とした。村上専務は「第1四半期は20年度第4四半期の期末需要の勢いを受けて高い水準を予想するが、例年、年央にかけて売上がだれる傾向がある」と説明した。営業利益は、為替の影響や売り上げ増による利益増を要因に148億円の増加を見込む。
 また、今回のコロナ禍の影響を受けて、中期経営計画「Challenge(チャレンジ)25」を見直した「チャレンジ25 Plus(プラス)」を発表。対象の期間を19~21年度から1年延長して22年度までとし、売り上げ目標は5400億円から4700億円に修正。営業利益率の目標は13%を維持しつつ、700億円から610億円に修正した。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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