フードテック展でロボットに脚光【後編】
少量多品種のミールキットにも最適/Closer
会場では直接食品を扱うロボットシステムだけでなく、梱包された食品を扱うシステムの提案もあった。
筑波大学発のAIロボティクスベンチャー企業のCloser(クローサー、茨城県つくば市、樋口翔太社長)は、包装された食品や調味料の袋のハンドリングに適したロボットシステムを展示した。スカラロボットとそれを囲む安全パネル、架台、カメラ、ソフトウエアなどをパッケージにしたシステムだ。キャスター付きで移動が可能で、ベルトコンベヤーの横に据え付けて使用する。対象ワークの切り替えが容易で、透明な袋や金属蒸着した鏡面の袋なども認識できる。
「カップ麺のような大量生産品の場合、調味料袋などの投入は専用機で自動化されているが、ミールキットのような少量多品種生産の場合はこれまで人手に頼ることが多かった。このロボットシステムを使えば、ミールキットのような少量多品種でも自動化できる」と樋口翔太社長は言う。
箱を高速カットして開梱/なんつね
なんつね(大阪府藤井寺市、南常之社長)は、同社が日本総代理店を務める米国ROBOTICA(ロボティカ)の段ボール自動開梱機「ABOT(アボット) M1」を紹介した。
アームの先端に刃を装着したロボットが段ボール箱の一部をカットし、開梱するシステムだ。箱のサイズを自動判定するため、箱の事前登録が不要。画像解析や3D測定システムにより、ある程度変形した箱にも対応できる。
箱のカットパターンは、上端を切り取るトップカット(3面/4面)に加え、オプションで中身が見えるように側面の一部も切り取るウィンドウカットなども選択できる。
「刃を回転させずに段ボールをカットするため、紙粉が出にくいことも特徴」とエンジニアリンググループの斉藤哲雄グループマネージャーは話す。