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2024.05.14

学生など若年層向けの検定やロボットセンター委員会を新設/日本ロボットシステムインテグレータ協会

日本ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会、会長・久保田和雄三明機工社長)は4月19日、都内で「2024年度通常総会」を開催し、今年度の事業計画などを決定した。新たな取り組みとして「SI検定」の4級や、ロボットセンターを保有する企業が対象のロボットセンター委員会などを新設すると発表した。

中小企業の支援機関向けに手引きを作成

「ロボット導入支援の手引き」は無料でダウンロードもできる

 SIer協会は総会で、昨年度の事業報告や今年度の事業計画の承認などを行った。
 昨年度は、経済産業省や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、地方公共団体などの委託事業を複数実施。
 経済産業省の事業では「ロボット導入支援の手引き」を作成した。これは各地域の中小企業支援機関向けの冊子で、企業から自動化に関する相談があった場合に支援アドバイザーが活用するための手引きだ。ロボットや製造業に関する基礎知識の有無を問わず活用できる。
 併せて、事前にヒアリングすべき項目をまとめたチェックリストも作成した。

 手引きやチェックリストは印刷した冊子の配布もするが、同協会のウェブサイトからダウンロードもできる。

SI検定4級を新設

 今年度の新たな取り組みとしては、ロボットのシステムインテグレーション(SI)の能力を証明する「SI検定」に4級を新設する。
 1~3級はロボットSIに関わる技術者の能力を証明するものだが、4級は高校生などの若年層をターゲットとする。SI検定を通し、ロボットやSIへの関心を高めてもらうことが主な狙いだ。
 同時にSI検定を厚生労働省が認定する検定へと昇格させるための活動にも注力する。

 その他、ロボットセンター委員会も今年度から新設する。ロボットセンターを保有する企業が所属する委員会で、共通課題を検討し、協会が推奨する安全特別教育の方法を取りまとめる。

 総会では新役員の承認も行い、副会長の渡辺亙バイナス元社長が退任し、鵜野政人ヒロテック会長が副会長に就任した。その他、高丸正高丸工業社長が理事、溝上悟史三菱電機システムサービス取締役が幹事に就任した。

 総会後の懇親会で久保田会長は「いよいよ人手不足待ったなしの状況。自動化システムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)への期待は日に日に高まっていると強く感じる。協会一丸となって今まで以上に自動化を推進し、日本の生産性向上に貢献していきたい」と力強く述べた。

  • 懇親会で来賓としてあいさつした経済産業省の石曽根智昭ロボット政策室長

  • 副会長に就任したヒロテックの鵜野政人会長

  • 懇親会の中締めをした副会長の奥山浩司HCI社長

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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