[注目製品PickUp! vol.74]使いやすさ重視のAGFでパレット搬送を効率化/ハクオウロボティクス「AutoFork」
現場での運用しやすさを重視
同製品は自動走行だけでなく手動モードにも切り替えられる。手動で一度だけ動かした経路に基づき、自動走行で同じルートを走行する「プレイバック機能」を備えるため、AGFの扱いに慣れていない現場でも使いやすい。
パレットの移動先の突発的な変更が発生した場合でもすぐに対応できる。その際、手動で操作した経路通りにそのまま動くのではなく、ジグザグになってしまった経路を直線に補正するなどして効率的な搬送を実現する。
「最大荷重が1t以上のフォークリフトは運転するのに資格が必要だが、オートフォークの最大荷重は570kgのため特別講習さえ受ければ誰でも動かせる。フォークリフトの有資格者の少ない現場に提案したい」と鈴木社長は話す。
「すぐに導入したい」との声も
現場での運用しやすさにつながる要素は他にも多い。例えば走行方式は、AGFで多く採用される「SLAM(スラム)方式」ではなく、壁に設置した反射ポールを認識するレーザー誘導方式にした。
「スラム方式は反射ポールを倉庫内に設置する必要はないが、レーザー誘導方式に比べ位置精度が低く、倉庫内に通常より高く積んだ荷物があり周囲の見え方が変わると、認識エラーを起こすケースもある。その際、どの荷物がエラーの原因になったかを判別することも難しい」と鈴木社長。
それに対し、オートフォークを使う場合は反射ポールの前に障害物を置かないよう気を付けるだけで良いという。反射ポール自体は両面テープで壁に貼れるほど軽量なため、大規模な工事も必要ない。
また同製品は自動車の自動運転技術を応用して開発されており、加減速がスムーズという。その場で旋回して向きを変えられるなど小回りも利くため、スペースの限られた倉庫でも運用しやすい。「実際にオートフォークを見て、動作のスムーズさに驚く人は多い」と鈴木社長は話す。
今年9月に開催された「国際物流総合展2024」でも、ブース内で2台のオートフォークを使いデモ走行をしたところ、来場者から好評だったという。「会期中やその後には多数の問い合わせがあり、そのうち複数の企業はすぐにでも導入したいと積極的な姿勢だった」と振り返る。