[ショールーム探訪vol.32]搬送の自動化をまとめて提案/ヤマハ発動機「CONNECTED SQUARE」
ロボットダイジェストの記者が、読者に代わりショールームを訪問する連載企画「ショールーム探訪」。第32回は、浜松市中央区にあるヤマハ発動機の浜松ロボティクス事業所のショールーム「CONNECTED SQUARE(コネクティッドスクエア)」を訪問した。同事業所の大規模な増改築に伴い、今年4月にリニア搬送システム「リニアコンベアモジュール」やスカラロボットなどのファクトリーオートメーション(FA)機器のショールームを従来比で約2.6倍に拡張した。ここでは、ミクロン単位の精度が求められる小型部品の搬送から屋外搬送のキロメートル単位の移動まで、コネクティッドスクエアで見られる幅広い搬送の自動化システムの一端を紹介する。
床面積を約2.6倍に拡張
同事業所では今年6月に、半導体チップをプリント基板に載せる「表面実装機」やFA機器の生産能力の拡大を目的とした増改築が完了したばかり。これに合わせ、FA機器のショールームも従来の約2.6倍の360㎡に床面積を拡張した。事業所全体の増改築の完了に先立ち、同年4月1日にコネクティッドスクエアはリニューアルオープンを迎えた。
自動化システムの販売では電気自動車(EV)関連の車載製品や、電子部品、電気製品向けが多くを占めるが、医薬品、食品、化粧品の三品産業など幅広い産業で導入実績がある。
コネクティッドスクエアは三品産業も含めた幅広い産業を来場ターゲットに据えている。ロボティクス事業部営業統括部FA営業部営業企画グループの親川風香さんは「コネクティッドスクエアのターゲットは設備の課題を解決したいお客さま。自動化や省力化システムの導入を検討している方なら、誰でも来てもらえる」と話す。
現在はホームページから来場予約を受け付けており、一度に最大で約40人まで来場可能だ。
自動化のヒントを持ち帰る
現在コネクティッドスクエアでは、ワークの搬送、組み立て、検査、仕分けのデモシステムをはじめ、参考展示の7軸の協働ロボットなど多岐にわたる自動化システムを展示している。また、グループ企業のeve autonomy(イブオートノミー、静岡県磐田市、星野亮介最高経営責任者)が開発した無人搬送のパッケージソリューション「eve auto(イブオート)」も置いた。ヤマハ発動機の屋内外対応のEVにティアフォーの自動運転技術を搭載しており、屋外環境や無人搬送が可能だ。
親川さんは「わが社は『μ to km(ミクロン・トゥ・キロメートル)』をコンセプトに、幅広い搬送の自動化をまとめて提案できるのが強み。ショールームの拡張に伴い、豊富なラインアップをまとめてお見せできるようになった」と自信を見せる。