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2019.02.07

連載

[注目製品PickUp! vol.8]速くて、コンパクトで、おしゃれなロボット【前編】/不二越「MZシリーズ」(1/3)

今回は、不二越の小型垂直多関節ロボット「MZシリーズ」を取り上げる。動作スピードの速さや中空構造の手首の採用、省スペースでコンパクトな設計など多くの特徴を持つが、意外にもMZシリーズが売れる大きな理由はデザインにあるという。MZシリーズの開発で初めて、工業デザイナーの意見を取り入れデザインを従来のものから一新。ロボット本体の性能だけではなく、おしゃれにも気を配った。

自動車向けが得意

 不二越は東京に本社を置く大手総合機械メーカー。「NACHI(ナチ)」のブランド名で、ロボットや工作機械、切削工具、ベアリング、油圧機器、そして材料まで幅広い製品を製造販売する。

 同社が得意としてきたのは、自動車産業向けの大型ロボットやスポット溶接ロボット。1968年にロボット事業を立ち上げてから、自動車の生産ラインで使われるスポット溶接ロボットを中心に多種多様なロボットを開発し、市場投入してきた。
 現在は、スポット溶接ロボットの主力製品「SRAシリーズ」や垂直多関節ロボットの「MCシリーズ」「MRシリーズ」「MZシリーズ」、水平多関節ロボットの「EZシリーズ」「ESシリーズ」、安全柵なしで人と一緒に働ける協働ロボット「CZ10」など、さまざまなタイプのロボットを取りそろえる。

11製品をラインアップ

可搬質量が12kg以下のMZシリーズ

 今回紹介するMZシリーズは、可搬質量が12kg以下、ロボットアームの最大のリーチ長さが1454mm以下の小型垂直多関節ロボットだ。

 2013年に可搬質量7kgの「MZ07」を発表したのを皮切りに、現在は同4kgの「MZ04」や同12kgの「MZ12」など、可搬質量や最大リーチの違いで11製品をラインアップする。

 ロボット開発担当の赤川正寿執行役員は「小型ロボットは主に人の作業の置き換えで使われる。そのためMZシリーズの用途も、これまで人がやっていた作業の置き換えが中心だ」と語る。

 具体的には、工作機械に材料を投入するマシンローディングやピッキング、組み立て、箱詰め・梱包作業などがある。
 この他、樹脂や金属の加工時に発生する、バリと呼ばれる不要な出っ張りを取り除くバリ取りや研磨、気密用のシール材を塗布するシーリングなどにも活用できる。

  • マシンローディング(不二越提供)

  • ピッキング(不二越提供)

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