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2021.07.01

電動3爪ハンドの機能拡張アタッチメントを発売/シナノケンシ

ASPINA(アスピナ)ブランドで事業を展開するシナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長)は7月1日、電動3爪ハンド「ARH350 A」の機能を拡張するオプションを発表した。「エアーアタッチメント」「平行リンク爪」「固定爪(2爪把持)」「幅広爪」「先端交換可能爪」の5種類を新たにラインアップする。

5種類をラインアップ

各アタッチメントを付けたロボットハンド(上段・下段の一番左は標準仕様)

 シナノケンシは、ロボットハンドの機能を拡張する5種類のオプションを発表した。

 エアーアタッチメントは、ロボットハンドに吸着把持機能を持たせるオプションだ。爪が入る隙間がない場合に、吸着で引き寄せてから爪でつかむといった動作が可能になる。
 「持ち上げた後に向きを変えて、横向きに置くなど、吸着把持だけでは難しい作業にも対応できる」と開発を担当したALビジネスユニットRT開発課の佐々木岳課長は話す。

 平行リンク爪は、爪が大きく開いた時も先端が平行を維持する。円筒形状のものをより安定して把持でき、シャフトの挿入などの作業に適する。このオプションはストロークの違う2タイプを用意した。

機能拡張オプションについて説明するALビジネスユニットの都築裕二副ビジネスユニット長(左)と佐々木岳課長

 その他、固定爪は四角い物などを持つ際に、2爪仕様にするアタッチメント。幅広爪は、樹脂ペレットや千切りキャベツなど、細かい物をまとめてつかむのに適したオプションだ。先端交換可能爪は、爪の先端をマグネットなどで固定した製品で、先端だけをワンタッチで交換できる。

 平行リンク爪以外は7月上旬に受注を開始し、平行リンク爪は年内に受注を開始する。

「ARH305」もオプションに対応

ARH305Aを基に、アタッチメント対応機種として開発したARH305B

 同社はARH350Aの他、同機種よりも小型・軽量で、繊細な把持力制御ができる代わりに最大把持力が低い「ARH305A」も販売している。305Aは今回のオプションには対応していないが、最大把持力や把持力制御はそのままに、今回のオプションに対応できるようにした「ARH305B」も新たにラインアップする。

 オプションを拡充し、さまざまなニーズに対応できるようしたことで、ロボットハンド全体の販売も加速したい考えだ。ロボットハンド全体で年間1000台の販売を目指す。
 「『あらゆるものの把持に挑戦』がわが社のロボットハンドのスローガン。一つのハンドでより多様な物の把持に対応できるよう、今後もオプションを拡充したい」とALビジネスユニットの都築裕二副ビジネスユニット長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)



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