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2020.05.20

インタビュー

オープン化時代に使いやすい汎用コントローラーを【後編】/KEBA Japan村上正和社長インタビュー

オーストリアのロボットコントローラーメーカーのKEBA(ケバ)は、日本を重要な市場に位置付ける。世界の産業用ロボット市場で日本メーカーの生産台数が過半数を占めるため、ロボットを制御するためのコントローラーメーカーから見たら、日本は巨大な市場だ。日本法人、KEBA Japan(東京都江東区)の村上正和社長は「近年、日本メーカーの開発志向が変わり、追い風になってきた」と明るい将来を描く。

オープンイノベーションが定着

国際ロボット展2019の同社ブースの様子

――前編でも触れましたが、改めて日本メーカーに対する印象は。
 KEBAとしては、日本法人を重要な拠点と位置付けています。世界の産業用ロボット市場で日本メーカーの生産台数は約6割を占める。ロボットを制御するためのコントローラーメーカーから見たら、日本が巨大市場なのです。日本の顧客の要望はKEBAの製品開発に反映されやすいです。そしてこの数年で、日本メーカーの開発志向が変わってきた、と感じます。

――どのように変わってきましたか。
 1990年代、日本のロボットメーカーは、大半が自前主義でした。ロボット本体はもちろん、コントローラーも自社で開発して使っていました。2000年代、2010年代と徐々に、他社や研究機関との協業が進みました。そしてこの2、3年で、大手メーカーも積極的に他社との協業を発表しています。一気にオープンイノベーション化が進んだと思います。

コントローラーならではの理由も

「オープンイノベーションが進んだ背景にはコントローラーならではの事情も」と村上正和社長

――なぜ、そのような流れに。
 一般に言われるように、デジタル技術の開発スピードが加速度的に高まりました。ロボットメーカーの多くは元々、ハードウエアのメーカーだったので、革新的なデジタル技術を持つ企業や研究機関と一緒に開発を進めた方がよい。ただ、ロボットコントローラーに関しては、それだけが要因ではないと感じています。

――コントローラーならではの事情とは。
 ロボットコントローラーは長年、自社で開発し、改良を続けて使い続けていました。これはロボット業界に限った話ではないのですが、日本の製造業では開発方針として、まず基本システムができたら使い始めて、微修正を繰り返して良いものを作る。そのような思想の下、長年の積み重ねの上に成熟してきました。ただ、そのような開発方針では、システムの根本である、積み重ねの下層の部分が時代に追い付けずに陳腐になったら、上層は発展させにくい。

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