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2022.08.10

連載

[注目製品PickUp! vol.45]横揺れを制する、逆転の発想/ピアブ・ジャパン「BGXシリーズ」

スウェーデンに本社を置く真空機器メーカー、ピアブの日本法人ピアブ・ジャパン(東京都葛飾区、吉江和幸社長)が、袋物用の新型吸着パッド「BGXシリーズ」を発売した。従来製品よりも、対象物と接するリップ部が柔らかい。そのため、袋物のように柔軟な対象物にもしっかりと密着する。一般に柔らかい吸着パッドは、横方向への揺さぶりに弱い傾向がある。しかし、BGXシリーズは工夫を取り入れて、従来の同社製品と同等に揺さぶりに強い製品とした。

包装後の製品搬送を狙う

 ピアブ・ジャパンは5月10日、袋物用の新型吸着パッド「BGXシリーズ」を発売した。先端のリップ部まで一体成形した製品で、従来製品よりもリップ部が柔らかいため、吸着する対象物にしっかりと密着できる。
 サイズは直径(φ)34mm、φ41mm、φ48mmの3種類。シリコン製で、色は食品工場などで異物混入の検知に使われるカメラが認識しやすい青色を採用した。

 岩田真プロダクトセールスマネージャーは「新型コロナウイルス禍もあり、食品工場での包装後の搬送自動化のニーズが非常に高い。そこで、袋物に特化した製品を開発した」と話す。

従来は剛性のある製品を

「piGRIP(ピグリップ)」は、用途に合わせて選んでカスタマイズできる。袋物に対しては、写真のように黄緑の「ベローズ」と青の「リップ」を組み合わせて提案していた

 これまで同社では、袋物の搬送用途にモジュール式サクションカップ「piGRIP(ピグリップ)」を提案することが多かった。
 同製品は吸着パッドの大部分を占めるベローズ(ジャバラ)や対象物と接するリップなどを複数種から組み合わせられるのが特徴。袋物に対しては、剛性の高いベローズと柔軟性のあるリップを組み合わせる例が多かった。

 岩田マネージャーは、その理由を「袋物の搬送では、横方向に対象物を揺さぶるような動きが多い。その揺さぶりにも耐えられるよう、ベローズに剛性のあるタイプを使い、リップに柔軟性の高い物を組み合わせて提案した」と話す。

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